会長日記

2016年9月1日

会 長 原 田 直 子(34期)

福岡県弁護士会のHPにおいでいただき ありがとうございます。

心配された台風12号は、大きな影響もなく通り過ぎてくれました。九州はほっと一安心ですが、台風10号で被害を受けられた東北・北海道地方の皆様、お見舞い申し上げます。

アンニョンハセヨ!釜山に行きました

福岡市は釜山市と友好関係を結んでいますが、福岡県弁護士会も26年前から釜山地方弁護士会と友好関係を結んでおり、隔年で訪問し合っています。

今年は福岡から釜山へ。総勢25名の弁護士が、9月1日から3日まで釜山地方弁護士会を訪問しました。

日本と韓国の法曹養成制度は似たところがあり、元々はごくわずかな司法試験合格者(60~80名)が司法研修を経て裁判官、検察官、弁護士になっていたそうですが、人数が少ないので、多くは裁判官、検察官になり、退官してから弁護士になる人が多かったようです。しかし、1981年から急激に合格者を増加させ、2001年以降は1000人以上の合格者が出ています。2009年から法学専門大学院が設置され、合格者はさらに増加しています。

特徴的なのは女性の合格率。現在の日本の司法試験では、女性の合格率は30%をなかなか越えないのですが、韓国では50%に迫る勢いです。そのため、女性弁護士の数は、この25年で200倍(概算20→4000人)くらいになっています。ちなみに日本は約600→6600人と10倍増くらいです。

さて、今回の訪問ですが、私が福岡で初めての女性会長であるということで、女性の問題、特に家庭内暴力や性暴力被害者の支援の状況について施設の視察や意見交換をさせていただきました。釜山ではワンストップセンターが公立病院の中に設置され、急性期の被害者はそこで治療と相談を受けることができ、刑事手続きに備えて、証拠採取や事情聴取が行われます。また、加害者から逃れてきた人のための一時保護者ルター、少し長期の自立のための施設、悩んでいる人のための相談センターなど、被害者の状況に合わせた支援制度が充実していました。そのためのかなりの公費が支出されていることも羨ましい限りでした。

もちろん、美味しいご馳走や観光、ショッピングも楽しみましたよ。私は唐辛子が苦手ですが、辛くない料理も沢山あり、大満足でした。台風の影響で飛行機が欠航にならないか心配しつつも、フェイスマスクや石鹸などの韓国コスメでスーツケースを満載にして帰途につきました。

現在、韓国や中国などとの政治的国際関係は必ずしも良好とはいえないところがありますが、私たち市民どうし、民間団体どうしの交流を通じて、相手国の方々への信頼を醸成していくことで、国と国との関係が拗れない力になるのではないかと思っています。アンニョンハセヨの一言に応えてくださった釜山のみなさんの笑顔に、お互いの違いをありのままに受け入れて理解しあう気持ちをもつこと、そしてその気持ちを相手に伝えることの大切さを感じました。

国内でも、国外でも、お隣の人を大切にしたいですね。