会長日記
2019年1月1日
会長 上田 英友(40期)
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
本年が、皆さまにとって素晴らしい年となりますようにお祈り申し上げます。
さて、本年度、当会は、「市民に寄り添う弁護士会活動を心掛けること」を重点課題の一つに掲げて活動してまいりました。
弁護士会執行部としても、弁護士、弁護士会を市民の皆さまに身近な存在として認知していただき、もっと弁護士を利用していただけるように、会員の皆さまとともに、市民に寄り添う活動に努めてまいりたいと思います。
(1) 災害時の無料相談
昨年を振り返ってみますと、全国的にも災害の多い年でした。当会は、これまでも、大規模災害時に、法律相談センターでの災害相談について相談料を無料にするなどの取り組みを行っておりました。昨年7月に西日本を中心として発生した「平成30年7月豪雨災害」に際しても、同様の対応をしました。
ところで、災害時の法律相談の実施において、重要な点は、地元自治体との連携です。被災地で法律相談を実施するためには、相談場所の確保が必要ですが、弁護士会だけの力で被災地に場所を設けることは非常に困難です。また、広報も重要です。法律相談を行っていることが市民の間に広まって初めて法律相談にお越しいただけるからです。弁護士会の活動が、地元自治体の広報誌に掲載されたり、市役所などの窓口で被災された方に案内されたりすることが大きな広報となります。
そこで、当会は、昨年8月、福岡市との間で、福岡県内の自治体では初めて、災害時における法律相談の実施に関する協定を結びました。協定の内容は、災害時に当会が相談担当の弁護士を派遣し、福岡市は相談場所を提供するというものです。福岡市役所で行われた調印式の様子や協定の内容は、新聞やテレビで大きく報道されました。
現在、他の自治体との間でも、同様の協定を締結するように準備を進めております。大規模災害時に弁護士会が市民の皆さまの復興復旧支援のお役に立てるように、日頃からの行政との連携等の環境整備に努めたいと思います。
(2) 対外広報の重要性
当会は、様々な公益的な活動をしていますが、弁護士会の活動を市民に伝え、弁護士や弁護士会を利用していただくためは、対外的な広報活動が必要です。
当会では、記者レクに際しては、ニュースリリースを発行し、その行事を主管する委員会の担当者をアテンドします。記者レクでの司法記者からの質問や行事に対する反応を知ることで、市民の行事に対する関心の程度も推測することもできます。また、行事の直前、開催中にTwitterで、画像も含めた情報を公表(ツイート)することによって、市民の行事への参加を促進してきました。
記者レクなどを通じたタイムリーな情報発信により、新聞報道の件数も、昨年度は、一昨年度の約3倍に上り、今年度もそのペースを維持しています。また、無料電話相談などは、実施中にテレビで報道され、画面上に電話番号がテロップで表示されることで、架電数が飛躍的に増えました。
このような対外広報活動をより効果的に進めるため、当会に執行部直轄の広報室を設置することとなり、今年1月から広報室の活動が始まっております。
弁護士会の人権擁護活動などの公益的活動と対外的広報活動は、車の両輪として、弁護士会の社会的な存在意義を高めるために重要なものです。新しく設置された広報室の活動に大いに期待しています。
(3) 新会館のオープン
年度の終わりが近づいてまいりましたが、本年度は、まだまだ大きなイベントが控えています。それが、新会館のオープンです。
本年2月18日(月)から、当会は、福岡市中央区六本松の九州大学教養部跡地に建設された新しい会館で業務を開始します。この地域では、昨年8月から新しい裁判所が業務を開始していますが、今年の秋には、検察庁も移転する予定となっており、法曹ゾーンと呼ばれています。法曹ゾーンの北側には、居住用マンションや商業施設の入ったビルが立ち並び、当会の新会館のすぐ前には、六本松公園があって、休日には、多数の市民が訪れます。この地域一帯は、「青陵の街」と名付けられています。
これまでの弁護士会館は、裁判所の旧庁舎の裏側にあり、公道からは見えず、市民に弁護士会の存在を十分にアピールすることができておりませんでした。新会館は、市民の目にも留まりやすい場所に位置し、外壁のステンレスは、博多織の献上柄をモチーフにした美しい模様で、法律相談ブースのある北側は、ガラス張りとなっており、開放的な雰囲気の建物です。新会館によって、弁護士会がより身近に感じていただけるのではないかと期待しております。
新会館のオープン後、3月24日(日)には、市民向けのオープニングイベントを予定しております。家族連れの市民の方が楽しんでいただけるように、楽しいイベントを準備しておりますので、広報にも力を入れて、多数の方に来館していただきたいと思います。
執行部としては、本年度の残り3か月間、引き続き様々な活動に積極的に取り組んでまいりますので、会員の皆さまのご支援と御協力をよろしくお願いいたします。