会長日記
2022年6月1日
会長 野田部 哲也(43期)
◆挨拶回りは楽し!!(その2)
前回、執行部の挨拶回りについて、その一部を紹介させていただきましたが、今回は、その第二弾として、社外役員、男女共同参画、企業の働き方改革について、紹介します。
◆社外役員
近時、営利業務に従事する弁護士が増加しており、2021年5月1日現在、全国で延べ9379名の弁護士が営利業務に従事しています。その内、延べ5835名は、取締役等の業務を執行する役員です。
東京証券取引所は、本年4月4日、市場再編を行いました。また、株式市場は、再編され、プライム市場(最上位の市場)の上場会社は、独立社外取締役を3分の1以上選任すべきであるとされ、監査役には、財務、会計、法務に関する知識を有する者が選任されるべきとされ、弁護士が推奨されています(コーポレートガバナンスコード原則4-8、4-11)。
このこともあり、弁護士が、社外役員に就任することが多くなっています。そして、上場会社のみならず、上場していない会社においても、弁護士を社外役員に迎え入れているケースが見られます。
当会でも、延べ約180名が営利業務に従事され、その内、延べ約140名が取締役等の業務を執行する役員となられています。
そこで、挨拶回りで企業を訪問する際も、弁護士の社外役員としての採用を推奨して回っています。
福岡の複数の上場会社においても、すでに弁護士が社外役員として就任しており、その活躍ぶりをお聞きすることができました。
今後も、さらに社外役員に弁護士を推奨していきたいと考えています。
◆男女共同参画
挨拶回りに行った際、市町村、専門士業、企業、組合それぞれにおいて、女性幹部の方が対応されたケースが少なからずありました。福岡県司法書士会、福岡県不動産鑑定士協会、福岡県中小企業診断士協会は、いずれも女性が会長をされています。
女性幹部の方が対応された際には、男女共同参画について、組織としての考え方や手段をお尋ねしたり、個人的にもその秘訣をお尋ねしてまいりました。組織的な点でいうと、男女共同参画のための条件整備や工夫をされている由でした。個人的な秘訣の点でいうと、物怖じせずに一歩踏み出す勇気を持つことや、職場や家族の援助を上手に得るというお話を聞かせていただきました。
◆働き方改革
挨拶回りで企業等を訪問する中で、働き方改革は、大変進んでいる印象を持ちました。
記者のことを兵隊と呼び、かつては、夜討ち朝駆けは当たり前という世界だった新聞社も、今は、時間外勤務は、少なくなっているようでした。
また、かつては、それぞれの机の上に資料や原稿がうず高く積まれていましたが、今は、記者の出退勤の時間も自由になり、フリーデスクとなっており、机の上は整然としたものでした。
新型コロナウイルス感染防止もあり、各社でテレビ会議やwebが駆使されて、効率化が図られていました。
宿直室が、コンパクトなビジネスホテルの一室のような感じになっているのには、驚きました。
◆率直な意見交換
今回の挨拶回りでは、コロナ禍で次にお話しする機会がどうなるかわからないこともあり、挨拶回りで、初対面でも、率直な意見交換をすることを心がけています。
そのような中で、韓国領事館において、ヘイトスピーチ問題について、こちらからこれに触れたとき、総領事から「挨拶に来られているので、控えようと思っていましたが、弁護士会が触れられたので、話していいですか。」と前置きされたうえで、その状況(街宣車が何台も連なってヘイトスピーチする様子等)や、ヘイトスピーチに対する総領事の思いを切々とお話していただきました。
県弁総会において、ヘイトスピーチに関する宣言について、決議できることを切望しています。
◆高い志と使命感
挨拶回りをする中で、行政や企業のトップの方々の中には、高い志や使命感にあふれた方もおられ、これに触れることができ、大いに刺激を受けました。そして、そのような方々が高い志を維持するための工夫も聞かせていただくことができました。
そのような方々を講師としてお呼びする等し、会員の皆様も一緒に、さらに深い話を享受することができたらと思います。