会長日記
2024年10月1日
会長 德永 響(50期)
みなさま、こんにちは。
◆弁護士業務改革シンポジウム
2年に1度開催されている弁護士業務改革シンポジウムが、今年は9月7日に仙台で開催され、その翌日に中規模サミットなる弁護士会の会合が開催されますので、仙台へ赴きました。私は日弁連弁護士業務改革委員会のメンバーでもありましたので、シンポジウム自体には目新しさはないのですが、昨今の弁護士業務改革では、AIを弁護士業務にどのように生かすかという視点が数多くみられるように思います。
2024年6月から「情報セキュリティ」に関する規程を事務所で定めなければならなくなりましたし、民事裁判のIT化など、情報機器の発展にともなう弁護士業務の変化はすさまじいスピードです。私自身、ついこの間まで先輩方に教えていたような気もするのですが、あっという間にすべてがよく理解できなくなりつつあり、玉手箱を開ける間もなく浦島太郎になったようです。シンポジウムで先端の議論にふれることにも意味があるように思えます。
◆三会(福岡・二弁・札幌)交流会
各会が協議事項を持ち寄り、他会の対応を教えてもらって、各会の会務運営に反映させる交流会が、今年は札幌で開催されました。この3弁護士会は、いずれも過疎地・偏在対策として養成事務所を所管しています(福岡ではあさかぜ基金法律事務所)。現状や問題点などについて意見交換を重ねるうちに、個別の論点での議論を詰めていくが余りに、大きな視点を見失いつつあるのではないかという自省に至りました。そもそも、弁護士過疎地に出向き、その地域の方々の法的なサービスに努め、その方々の基本的人権を守って社会正義を実現していくというのは、とても意義のある役割にほかなりません。そのこと自体を多くの関係者に知っていただき、共感を得て活動を拡大していくという地道な作業に取り組むことが必要です。「いまこそ最大のチャンス」という気概をもって臨もうと、決意を新たにしました。
札幌といえば味覚の街でもありますが、札幌入りした日の昼食を年甲斐もなく食べ過ぎてしまい、以後、会長日記に書くべき成果をあげることは叶いませんでした。
◆第66回人権擁護大会
10月3日・4日、名古屋にて開催された人権擁護大会において、被疑者被告人が法廷内で手錠・腰縄をされてしまう問題についての分科会に出席しました。国際人権法や憲法からのアプローチも報告され、新たな気付きを含むものであると同時に、「海外と比較してみなければ自国の人権保障の不十分さは見えてこない」との発言もあって、大いに共感させられました。弁護士は海外の知見に触れるべきです!
来年の人権擁護大会の開催地は「長崎県」です。日程は2025年12月11~12日と、例年とは開催時期を異にするのですが、これは「長崎くんち」とのバッティングを避けるためという郷土愛に根差したものだそうです。長崎大会の成功はもとより、全国の弁護士に長崎皿うどん(白い餡のかかった、やや甘いパリパリ麺)をぜひ食してもらいたいものです。