会長日記

2013年11月 会長声明

会 長 橋 本 千 尋(36期)

■福島原発、秘密保護法、婚外子

福岡県弁護士会の会長として対外的に意見表明することがあります。「会長声明」と銘打ったものが多く、その他により重厚な「意見書」とか、もっと簡潔な「会長談話」という形をとることもあります。

最近、この会長声明というものをかなり出しています。

近いところで言うと、

  1. 福島原発の被害者の損害賠償請求を大地震から3年で出来なくするような時効制度は正義に反するので、3年を超えても出来るように特別な法律を作るように求めたもの。
  2. 国の防衛や外交などに関する秘密を守るという法律案の内容が、政府の好きなように秘密の範囲を定められたり、新聞記者などをはじめとしてこれを取材して国民に知らせようとする人を重く罰することになっているのは問題なので、このような法律は作るべきではないとするもの。
  3. 正式に結婚していない男女から生まれた子どもの相続分を正式に結婚している間に生まれた子どもの半分にするのは憲法に反するという最高裁判所判決が出たので、その判決に従って直ちに法律を改正するように求めたもの。

などです。これらの具体的な内容は、当会のホームページでご覧になれます。

■弁護士の使命に基づく組織としての意見表明

弁護士会の会長は、何故、そんなに声明などを出したがるのか、不思議に思われるかもしれません。

言うまでもないことですが会長個人としておこなっているのではなく、弁護士会としての組織的な活動のうちの一つです。

弁護士は、「基本的人権の擁護と社会正義の実現」を使命としていますので(弁護士法1条)、このような使命を持つ者の集団として、これらの使命を果たすために組織として社会に向けて意見を表明しているのです。

■強制加入団体としての制約

ところで、弁護士法は、弁護士として仕事をしようと思ったら、必ず弁護士会に登録しなければならないと定めています。弁護士と言えども十人十色で、考え方はいろいろです。ですから、社会的な問題についても、全ての弁護士が同じような考えを持つとは限りません。むしろ、考え方や意見は一人ひとり違うと言った方が正確なのかもしれません。

そこで、組織としての意見表明をするためには、このような様々な考え方や意見を持つ弁護士が、多少の違いはあっても大筋で一致するという内容の意見表明でなくてはなりません。

■会長声明の意味するもの

では、一致できるものは何かというと、ここでも「基本的人権と社会正義の実現」という弁護士の使命なのです。

つまり、多くの弁護士が、基本的人権が侵害されようとしているとか、社会正義が揺らいでいると考えたときに、代表である会長の名義で社会に向けて意見表明をするのが会長声明だと言うことになります。多くの弁護士が一致できる内容かどうかを確認するため、会長声明は、弁護士会の議会である常議員会の承認を得てはじめて公表できることになっています。

このように考えると、会長声明が多く出るということは、社会があまり良くない方向に向かっているということになります。
会長声明など出さなくても良い社会になって欲しいと念願する次第です。

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