会長日記

2024年3月1日

会長 大神 昌憲(48期)

みなさま、こんにちは。

◆再審法改正についての国会議員要請活動

2月15日と16日、日弁連の理事会が開催されましたが、その昼休みに議員会館に赴き、福岡県から選出されている国会議員又はその秘書の方を訪問して、再審法改正についての要請活動を行いました。私は、衆議院議員本人2名及び秘書9名、合計11名と面談いたしました。

既に報道されていますが、再審法改正を検討する衆参議員による超党派の議員連盟(3月11日に設立総会が開かれました。)が発足見込みであったことから、そのことをお伝えし、議員連盟への参加と再審法改正への賛同をお願いいたしました。

再審法改正については、今後、大きな山場を迎えると思いますので、引き続き会員の皆様のご理解、ご協力を頂きたいと思っています。

◆県弁護士会次期執行部との引継会議

2月23日、県弁会館において、徳永響次期会長をはじめとする県弁新執行部との引継会議が開催されました。

私と徳永響次期会長とは、平成19年度には共に事務局長を務め、平成27年度には共に副会長を務めた仲ですので、円滑な引継ぎができたと感じています。

新執行部の皆様のご健勝とご活躍を心より祈念いたします!

◆自治体内弁護士等経験交流会

3月2日、県弁会館において、日弁連が主催する自治体内弁護士等経験交流会が開催されました。この経験交流会はこれまで東京と大阪でのみ開催されていましたが、2023年度は初めて福岡で開催されました。

この経験交流会が2014年に初めて開催されてから10年が経ち、任期を終えた弁護士のキャリアも様々となってきたことから、この日の経験交流会は、元自治体職員として勤務していた複数の弁護士等より、自治体での経験や任期後のキャリアについて発表をいただき、参加者と共有することを目的とするものでした。

福岡県内には政令指定都市である福岡市及び北九州市を含め29の市と、29の町、そして2つの村の合計60の市町村がありますが、弁護士が任期付き公務員として採用されているのは6市(福岡市、北九州市、古賀市、久留米市、直方市、糸島市)に留まっています。

自治体内弁護士等経験交流会の成果により、今後、益々、自治体内弁護士が増加していくことを大いに期待するものです

◆会規改正のための臨時総会

3月6日、県弁会館において、今年度4回目の臨時総会が開催されました。

主な議題の一つ目は、福岡県弁護士会共済規程を一部改正して、災厄見舞金制度を創設する件です。

福岡県下では、近時、毎年のように豪雨災害が続き、当会でも豪雨災害対策本部を設置するなど、災害対策は重要な弁護士業務・会務のひとつです。また、2005年(平成17年)3月20日に発生した福岡県西方沖地震も忘れ難い記憶であり、福岡県下には複数の活断層帯も存在していることを踏まえますと、会員自身が被災者となるケースも想定されます。そのため、被災した会員に対し、経済的支援を行う災厄見舞金制度の創設を提案し、全会一致で可決承認されました。

主な議題の二つ目は、(1)福岡県弁護士会会員研修規程、(2)弁護士業務等に関する市民窓口運営規程及び(3)市民窓口等対応室設置規程をいずれも一部改正し、市民窓口に対し所定の件数の苦情が寄せられた会員に対し執行部等による事情聴取に応じることを義務化するとともに、必要性が認められる場合には、部会長や市民窓口等対応室の意見を聞いた上で、特別研修の受講義務を課すというものです。

今年度は、誠に残念なことに、当会の会員及び元会員が合計3名も業務上横領の疑いで逮捕されるという異常な事態が発生いたしました。

懲戒処分についても、最も重い除名処分を1件、そして、業務停止処分を3件、執行いたしました。

執行部は、市民窓口に寄せられたすべての苦情の内容を時間を掛けて精査し、不祥事の芽を早期に発見するよう努めています。そして、執行部又は執行部の委任を受けた市民窓口等対応室の委員が、所定の件数の苦情が寄せられた会員に対し事情聴取を行っていますが、わずかながら事情聴取に応じようとしない会員がいますし、個別的な研修が必要だと思われる会員もいます。

そこで、上記の各会規の一部改正を提案し、賛成多数で可決承認されました。

◆おわりに

2023年度執行部は、至らぬところも多々あったかと思いますが、会員及び職員のご理解、ご協力を得て、何とか1年間の任期を全うすることができました。誠にありがとうございました。

我々弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命としているプロフェッションであり、このことを常に深く自覚して、襟を正していく必要があります。

弁護士の横領案件・不祥事が頻発すると、弁護士・弁護士会に対する市民の皆さまの信頼が揺らいでしまい、弁護士自治が危機に瀕することになります。

不祥事の根絶を願いつつ、以上をもちまして、私の退任のご挨拶に代えさせていただきます。

1年間、誠にありがとうございました。

(自治体内弁護士等経験交流会の様子)

福岡県弁護士会 会長日記 2024年3月1日