会長日記
2020年4月1日
会長 多川 一成(45期)
皆さま、初めまして。
令和2年度(2020年度)の福岡県弁護士会会長を務めます多川一成です。
どうぞよろしくお願いします。
会長を務めるにあたって、以下のような取り組みに注力したいと思っています。
◆ 災害・環境対策、被災者支援
当会では、新型コロナウィルス感染拡大に対して、本年3月24日から、火曜日と木曜日に電話による無料相談を開始しました。今回は、特に影響が懸念される事業者と労働者の方を対象としています。
まずは週2回と設定していますが、今後の状況を見てさらに対策を検討していきたいと考えています。
また、九州北部では、大規模災害が毎年のように発生しており、支援業務をさらに公平に分担し、業務の効率化、充実化を図る必要があります。
◆ 刑事司法改革への取組み
福岡県弁護士会は、刑事弁護に関して先進会であり、勾留など身体拘束に対する準抗告運動などをしっかりと支援していきます。
また、弁護士を取調べに立ち会わせる権利、取調べ前に弁護士に助言を受ける権利を保障する運動も進めたいと考えています。
◆ 超高齢社会への対応と障がい者への支援
急速な高齢化社会が進む中で、判断能力の低下や孤独感を抱える高齢者を狙った財産侵害、消費者被害が多発しています。また、高齢者に限らず、障がい者についても介護者の負担過重から虐待等に至る人権侵害の事案、施設での身体拘束等の人権侵害の事例も後を絶ちません。
ノーマライゼーションやインクルージョンの理念を基礎として、高齢者や障がい者が住み慣れた地域で安心して暮らすことが出来るよう、今後も一層取組みを強化していくべきと考えています。
◆ 子どもの人権関係
少年法適用年齢引き下げ問題、少年の身柄事件全件を国選付添人制度の対象にするとともに、少年からの請求も認める制度の実現に向けて、運動を続ける必要があります。
さらに学校内では、いじめ、体罰、教育改革の問題が、家庭内では、児童虐待、子どもの貧困問題が発生しています。これらの問題に対し、積極的に取り組んでいきたいと思います。
◆ 国の経済の原動力を担う中小企業に関する法律事務の充実を目指す
中小企業の創業、再生、事業承継等のニーズに応え、弁護士に対するアクセス障害の解消、弁護士の中小企業の法律問題への対応能力・実践的スキルの向上を進めていくことが重要だと思います。
◆ 男女共同参画の推進、性の多様性の尊重
男女共同参画の推進、性の多様性の尊重は、人格の本質とも密接に関連しています。
人権擁護を使命とする弁護士にとって、性の多様性や性的マイノリティに対する理解を深め、その法的ニーズに応えることは重要です。担当委員会を中心に、取り組んでいきたいと考えています。