会長日記

2016年12月15日

会 長 原 田 直 子(34期)

福岡県弁護士会のHPにおいでいただき ありがとうございます。

今年は皆様にとってどんな年でしたか。自然災害、憲法、TPPなど様々な分野で激震が走った感のある年でした。来年は酉、どんな年になるでしょうか。平和で穏やかな年になってほしいものです。

ジェンダー法学会

12月3、4日、ジェンダー法学会第14回学術大会が、立命館大学で開かれました。ジェンダー法学会は、法学をジェンダーの視点からより深く研究すること、研究と実務の架橋をすること、ジェンダー法学に関する教育を開発し深めることを、主たる目的として、2003 年に設立されました。あらゆる法分野・法領域の研究者・実務家が集まり、政治学、社会学、心理学、思想など多面的な研究成果からの刺激を受けつつ、各自の専門領域を超え、学際的にジェンダー法学の課題に取り組んでいます。私は、学会創立時に入会以来、毎年学術大会に参加してきましたが、今年は出席できずとても残念でした。

ジェンダーという言葉は一般にも知られるようになりましたが、簡単に言えば社会的な性別です。生物学的には、XXの遺伝子を持った人が女性ですが、ジェンダーは、社会的には家事をする人が女性、働いて家族を養う人が男性というように、社会的な役割で決められる性別です。司法の分野では、女性は感情的で社会的経験に乏しいから、その証言能力は低いとか、女性は一家の生計を支える立場にないから夫のいる女性は整理解雇の対象にしてもよいといった考えにつながります。

最近では、心と体の性が一致しない方、性的指向が同性に向く方、そもそも男女に分けることに違和感を持つ方などセクシャリティの多様性が明らかになってきました。生物学的であれ、社会学的であれ、無理に男女に分けるのではなく、その人の個性を尊重した社会でありたいものです。特に、子どもたちには、性別で進路を決めるのではなく、自分の個性を大事にした進路を選択して欲しいですね。

ジェンダーギャップ指数 世界111位に

ジェンダーギャップ指数ってご存知ですか。世界経済フォーラムが世界各国の男女平等の度合いを指数化したもので、2016年の日本の順位は、対象144カ国のうち111位で、過去最低を記録しました。

この指数は、男女平等を経済、教育、保健、政治参加の4つの面において評価するものですが、日本は特に経済と政治参加の分野で遅れを取っており議員や管理職における男女比率(113位)、所得の男女比率(100位)、女性の専門職と技術賞の割合(101位)等となっています。司法に関わる法曹の卵ともいえる司法試験合格者の男女比も、2015年で男性78.4%、女性21.6%で、圧倒的に男性社会です。テレビドラマでは、美人の女性弁護士や女性検事が活躍していますが、実態は、未だ活躍の場を開拓中といったところです。

林弘子先生のご冥福をお祈りします

宮崎公立大学の学長で、当会の会員でもあった林弘子先生が、11月21日宮崎で急逝されました。

林先生は、長く福岡大学の労働法の教授としてご活躍でしたが、その間、様々な女性労働にかかる差別事件について、原告弁護団の理論的な支えとなり、鑑定意見書なども書かれました。また国際的な幅広い交友関係から、人権分野の著名人を日本に招聘して講演会を開く場合にご尽力いただいたり、日本のNGOが国連でロビー活動をする場合の支援もされてきました。

これから弁護士としてのご活躍も期待されていただけに、本当に残念でなりません。

ご冥福をお祈りいたします。

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