会長日記

2023年1月1日

会長 野田部 哲也(43期)

◆新年のごあいさつ

皆さま、新年あけましておめでとうございます。謹んで新年のお慶びを申し上げます。本年が、皆様により良き年になるよう祈念申し上げます。

本年も、新型コロナウイルスの感染は止まず、多数の感染者を出しておりますが、新型コロナウイルスに対する恐怖は幾分和らいでいるところです。

◆釜山地方弁護士会との交流

昨年の12月2日、釜山を訪問し、釜山地方弁護士会と交流を図ってきました。

釜山地方弁護士会との交流会は、1990年3月、発足し、これまで途切れることなく継続してきました。

令和2年度、令和3年度はweb開催でしたが、昨年末は、リアルに開催し、私たちのリスキリングに大いに役に立ちました。

◆釜山地方法院の大歓迎

釜山地方弁護士会を訪問する前に、その仲介で、釜山地方法院(裁判所)を訪問しました。

釜山地方法院を訪れて、最初に驚いたのは、入口正面のモニターに「福岡県弁護士会の皆様の訪問を心から歓迎します。」との表示があったことです。これまで、日弁連等で外国の裁判所を訪問することはありましたが、釜山地方法院のように、裁判所が、モニターで大歓迎を(しかも日本語で)表示してくれるところはなかったように思います。

また、そのあとの裁判所との協議会においても、刑事部の部長が、日本語も交えながら、韓国の刑事手続について、懇切丁寧に説明していただき、これにも感銘を受けました。

◆裁判所で結婚式?!

釜山地方法院の中で、最も驚いたのが、裁判所の施設の中に「結婚式場」が設けてあったことです。裁判所の中の中規模の会議室が、教会の結婚式場さながらに、花嫁や花婿が通るロードや参列者が着席する椅子が白い布やレースで飾られていました。

実際に、この「結婚式場」で、裁判所の職員のみならず弁護士や一般市民の方も結婚式を挙げるとのことでした。韓国の裁判所が、市民に対し、いかに開かれ、これが受け入れられているかを知り感銘を受けました。

◆韓国の司法改革とそのスピード感

韓国においても、司法改革が実施され、法曹人口の増員が図られ、元々年間300人程度だった増員は、現在、1000人程度までに引き上げられ、裁判官は、弁護士や検察官を経験したものから採用されるようになっています。そして、2030年には、法曹一元を完全実施するとされています。

韓国は、司法改革において、日本を一気に抜き去っていっているように思われます。

法曹人口の増大に伴い、弁護士の就職問題や、類似専門職との職域問題等について、日本より、問題が先鋭化しているように思われます。福岡県弁護士会と釜山地方弁護士会は、これらの点について、しっかり協議してまいりました。

◆国際関係への力の入れ具合?!

釜山地方弁護士会は、弁護士会の国際交流に大変熱心です。会長を始め、執行部の多数で空港に出迎えていただいていました。

また、これまでの協議会においてもその時々の種々の問題を積極的に取り上げ、熱心に協議していただいています。

◆弁護士会の公用車

釜山地方弁護士会は、運転手付きの公用車(ジェネシス・フラッグシップモデル)を用意されています。

公用車の中で、釜山地方弁護士会の黄周煥会長は、これまで160回以上も海外を訪問され、数日前にもアメリカの弁護士をこの公用車で迎え、交流したことを話してくれました。

◆協議会の意義

公用車の中で、黄会長は、協議会が、報告的なものが中心になり、社交的、儀礼的なもので終わってしまいがちなので、報告、説明の時間を短くして、質疑や意見交換の時間を多くとりたい旨の提案をされ、より本質的な議論ができるようになればと思い、これをお受けしました。発表者には、ご負担をかけたと思いますが、実際の協議会では、質疑や意見交換の時間をしっかりとってもらい、より本質的で意義のある協議ができたように思います。ただ、協議の時間をオーバーし、懇親会開始の時間が若干遅れてしまいました。

◆弁護士会のオーケストラ

懇親会では、各テーブルに日本語が堪能な弁護士や日本への留学経験のある弁護士等が配置されているうえ、お酒も入り、より本音の協議ができました。

それに加え、オーケストラの見事な演奏がありました。そして、オーケストラのメンバーが釜山地方弁護士会の弁護士であるというのには驚かされました。オーケストラのメンバーは、この日のために練習を重ねたそうで、釜山地方弁護士会のおもてなしの心には、感謝しきれません。

福岡県弁護士会 会長日記 2023年1月1日 福岡県弁護士会 会長日記 2023年1月1日 福岡県弁護士会 会長日記 2023年1月1日