福岡県弁護士会からのお知らせ

2016年11月18日

全国一斉生活保護ホットライン

法律相談

平成25年12月に成立した改正生活保護法が平成26年7月から本格施行されています。
同改正は,交通事故等を原因として生活保護受給者が第三者の加害行為に対する損害賠償請求権を取得した場合,地方自治体は,支出した保護費の限度で,受給者が加害者に対して有する損害賠償請求権を取得する規定を創設するなどしました。その結果,改正法施行後,保護課が被害者である受給者の意思を無視して損害賠償請求権の行使を検討するなどの問題が生じています。
また,法改正前から多くの現場で「水際作戦」が行われていました。改正法によって,生活保護の開始決定前に扶養義務者に通知するとの規定や,扶養義務者から扶養できるかどうかにつき報告を受けることができるとの規定が新設されたことによって,生活保護の申請に対する委縮効果が大きくなっているおそれがあります。
さらに,生活保護基準の引き下げが平成25年8月1日と平成26年4月1日の2度実施され,本年8月からは住宅扶助基準も引き下げられました。その結果,生活保護受給者は,食費を切り詰めたり,冷暖房を我慢するなどの生活をいっそう強いられています。
「不正受給」の割合は、件数ベースで2%程度、金額ベースでは0.4%程度であり(平成24年3月 厚生労働省社会・援護局関係主管課長会議資料)、国が「不正受給」として公表している事例の中には、高校生の子どものアルバイト料を申告する必要がないと思って申告しなかったなど、そもそも「不正受給」とすることに疑問のあるケースも含まれています。しかし、マスメディアでは、依然として、「不正受給」問題が大きく報道され、「子どもの貧困」の当事者として報道番組で紹介された高校生がネット上で個人情報を暴露されて深刻な被害を受ける事態も発生しています。このことから、生活保護の申請をためらう人がますます増えていることが予想されます。
これらの状況を踏まえ,日弁連より,「全国一斉生活保護ホットライン」の実施が呼びかけられています。この「全国一斉生活保護ホットライン」の実施は,「水際作戦」により申請ができずにいる保護申請者のニーズに応えるものであるとともに,生活保護利用者の生の声を集め,健康で文化的な生活を送る権利を阻害されている状態を改善するためのものです。
ぜひご相談ください。


<全国一斉生活保護ホットライン>


日  時:2016年12月9日(金)10時~17時30分
電話番号:0120-158-794


全国一斉生活保護ホットライン

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