福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2023年6月22日

トランスジェンダーである弁護士へのヘイトクライムを非難し、差別のない社会を目指す会長声明

声明

 大阪弁護士会に所属する弁護士に対し、2023(令和5)年6月3日から5日にかけて、事務所のホームページの問い合わせフォームで、トランスジェンダーであることを揶揄するようなメッセージや、殺害予告が書かれたメッセージがあわせて15通届いたことが報道された。
 上記メッセージの送信行為は、当該弁護士がトランスジェンダーであることやトランスジェンダーをはじめとする性的少数者の人権活動に取り組んでいることを理由として脅迫するもので、特定の属性を持つ個人や集団への偏見や憎悪に基づくヘイトクライム(憎悪犯罪)に他ならない。
 人権活動に取り組む弁護士に対する業務妨害行為であるだけでなく、当該弁護士のみならず、これを見聞きした性的少数者をも深く傷つけ、その平穏に生活する権利を害するものであって、非常に悪質である。このような行為を断じて許すことはできない。
 さらに、かかる行為は、憲法の基礎原理である個人の尊重、人格の尊厳を否定するものであり、決して看過することはできない。
 当会は、殺害予告を受けた弁護士が表明した脅迫に屈しないとの決意への連帯を表明するとともに、全てのトランスジェンダー当事者の人格が尊重され、平穏に生きることができる差別のない社会の実現に向けて、今後とも力を尽くす所存であることをここに表明する。

2023年(令和5年)6月21日

福岡県弁護士会

会長 大神昌憲

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