福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画
2021年2月18日
校則に関する調査報告書
意見
2021(令和3)年2月17日
福岡県弁護士会
第1 調査方法・対象について
当会は、2020(令和2)年7月30日、福岡市(実施機関は福岡市教育委員会)に対し、福岡市内の各中学校における、校則、生徒心得、生活心得、生活のきまり等の名目の如何を問わず学校内外における生徒の言動、生徒が身につけるもの、生徒の外見、持ち物に関する決まり事を定めたものや当該定められた決まり事が分かる文書一切の公開を求める公文書公開請求を行った。その結果、福岡市は、同年8月30日付けで福岡市内の市立中学校全69校が作成した文書を開示した。
また、同年11月25日、福岡市(実施機関は福岡市教育委員会)に対し、福岡市内の各特別支援学校中等部(他の学部と共通で定められているものを含む。)における、校則、生徒心得、生活心得、生活のきまり等の名目の如何を問わず学校内外における生徒の言動、生徒が身につけるもの、生徒の外見、持ち物に関する決まり事を定めたものや当該定められた決まり事が分かる文書一切の公開を求める公文書公開請求を行った。その結果、福岡市は、同年12月10日付けで2校(福岡中央特別支援学校と若久特別支援学校)が作成した文書を開示した。
さらに、当会は、福岡市内の生徒、保護者、教職員から直接聴き取り調査(当事者ヒアリング)を行った。当事者ヒアリングでは、①学校内での校則の運用状況、②校則等に規定がないにもかかわらず行動を制限されることの有無、③校則についての考え、④校則がなくなると学校はどうなると思うかの概ね4点を中心に聞き取りを行った。
当会は、上記情報公開請求によって開示された文書及び当事者ヒアリングにより聞き取った内容について、調査検討した。
なお、情報公開請求によって開示された文書は、中学校ごとに様々であり、標準服について規制する文書のみ開示した中学校も含まれていた。そのため、本調査は、あくまで情報公開請求によって開示された文書のみを調査検討するものであり、福岡市内の市立中学校の校則を網羅的に調査検討したものでない。
第2 校則調査の結果
1 標準服
(1) 男女区別規制
福岡市で導入された新標準服はジェンダーレスを目指したものであるが、校則上、標準服に男女区別が設けられている学校は24校、明確な男女分けではないものの、男子生徒のように見えるイラストにはスラックス・女子生徒のように見えるイラストにはスカート(キュロット)を描くなどして事実上男女分けをしている学校は26校と、69校中50校(72%)の学校で男女分けをしている校則を設けていた。また、新標準服に対応しない校則のみを継続していると見受けられる学校が3校あり、これらの中学校ではすべて男女分けがなされていた。
(2) シャツの規制
標準服のブレザー下に着用するシャツについて、学校指定カッターシャツ又はポロシャツと定める校則がある学校は69校中17校、それ以外の52校中、学校指定シャツはないもののシャツの色(白・水色・青色・ピンク等)を指定する学校は69校中49校(全体の71%)、デザイン(ボタンダウンは不可、丸襟など)を指定する学校は23校であった。
また、シャツについてこれらの校則の定めに違反した場合の対応として3校では「きちんと直せる範囲については、その場で指導して直させる。直せないものについては、その場で脱がせる。(違反の格好のままでは、教室にあげない)」「脱がせた後に保護者連絡」「再登校」といった規定が設けられていた。
(3) スカートの長さ規制
「ひざの皿が見えない」「背筋を伸ばして膝立ちをしてすそが床につく長さ 長すぎないようにすること。目安5cm」「ひざ立ちし両腕を肩の位置まであげた状態ですそが床に十分につく(うつむかず背筋を伸ばす)。立った状態でひざが見えない」といったスカート丈を定める校則を設けている学校は69校中59校(85%)であった。
(4) スラックスの規制
スラックスについても、「すそが地面につかない程度」といった長さ規制があるものが69校中20校、「幅は、ももを両手でつかんだとき、やや余裕があるくらい」といった幅の規制について設ける学校は69校中3校あった。
(5) その他標準服に関する規制
上記の(1)~(4)に含まれないものとして、「昼休みに外で遊ぶときなど、上着を脱いで活動することはよいが、違反の防寒着で行っていた場合は指導」「タートルネックやフード付きのように、極端に首回りから出たり、袖から出たりしないようにさせる」「ブレザーを脱いで、ベストを着た状態で活動することは、禁止」「袖のボタンはきちんと留めさせる。(制服袖まくりは不可)」といった校則を設けている学校、「上着の折り曲げや、腰パン等については直させる」「袖を折る場合は、2回以上ひじが見えるまで折る」と定める学校など、標準服の着用の仕方について指定を設けている学校があった。
2 ベルト
スラックスに着用するベルトについても、その色について69校中62校(90%)が「黒のみ」「黒・茶・こげ茶のみ」といった規制を設けていた。また69校中48校(70%)は「柄入り、メッシュ型、華美なものは不可」「無地」「縫い糸が白等は可」「編み込みのものは不可」「皮または合皮」「布製」といったベルトの形・素材に関する規制を設け、24校は「極端に穴の数が多いもの、2色以上は不可」「1つ穴」「ベルトの穴はシングル」「二重穴あきは禁止」「ベルト穴に金属がついたものは不可」といったベルト穴に関する規制を設け、18校では「極端に細かったり太かったりするものは不可」「幅3cm以上」といった太さの規制を設けていた。
3 標準服を着る時期(衣替えの時期指定)
また、標準服のいわゆる冬服・夏服・中間服といった着用の時期を具体的に校則で定めていたり、あるいは校則で別途学校から着用時期を指定するなどの記載をしていたりして、生徒に着用時期を規制する校則がある学校は69校中12校であった。
4 頭髪
(1) 男女区別規制
頭髪に関し、男女という性別で区別した規制を設けていた中学校は、69校中58校(約84%)であった。
(2) 髪の長さ
髪の長さに関する規制を設けていた中学校は、69校中62校(約90%)であった。
具体的な規制内容としては、前髪は眉や目にかからない(69校中59校(約86%))、横髪は耳にかからない(69校中59校(約86%))、後ろ髪は襟や肩につかない、肩にかかる場合は耳より下でゴムで結ぶ(69校中61校(約88%))というものであった。
(3) 髪型
髪型に関する規制を設けていた中学校は、69校中60校(約87%)であった。
具体的な規制内容としては、ツーブロックの禁止(69校中45校(約65%))、ソフトモヒカンの禁止(69校中27校(約39%))、剃り込み禁止(69校中16校(約23%))というものであった。
(4) 髪の結び方・髪留め(ゴムやヘアピン等)
髪の結び方・髪留め(ゴムやヘアピン等)に関する規制を設けていた中学校は69校中61校(約88%)であった。
髪の結び方についての具体的な規制内容としては、耳より下で結ぶ(69校中51校(約74%))、2つもしくは1つで結ぶ(69校中18校(約26%))、お団子・ポニーテール・編み込み禁止(69校中7校(約10%))というものであった。
また、髪留め(ゴムやヘアピン等)についての具体的な規制内容としては、ゴムの色を黒や紺や茶に指定(69校中58校(約84%))、ヘアピンの色を黒や紺や茶に指定(69校中44校(約64%))、カッチン留め、バレッタ、カチューシャ、リボン、シュシュや飾りがついたものや髪飾りは禁止(69校中14校(約20%))、ヘアピンやゴムなどを不必要にたくさん使わない(69校中10校(約14%))というものであった。
(5) 髪の加工(脱色、染色、パーマ、整髪料)
脱色を禁止していた中学校は、69校中49校(約71%)であった。
染色を禁止していた中学校は、69校中54校(約78%)であった。
パーマ(ストレートパーマ、縮毛矯正を含む。)を禁止していた中学校は、69校中55校(約80%)であった。
整髪料の使用を禁止していた中学校は、69校中52校(約75%)であった。
5 眉毛
眉毛に手を加えることを禁止する旨の規制が確認できた学校は69校中56校(81%)であり、そのうち2校が眉の間を含み、3校が額を含んで一切手を加えることを禁止していた。
6 下着
下着(肌着、アンダーシャツ等シャツの下に着るものを含む)に関する規制を確認できた中学校は69校中57校(約83%)であった。具体的には、下着の色に関する規制を設けていた中学校が57校(約83%)あり、下着の柄(無地・ワンポイント)に関する規制を設けていた中学校が54校(約78%)あった。
これらの規制について違反した場合の指導内容を規定している中学校が3校あった。その内容は、「脱がせるよう指示する。」「脱がせた後に保護者に連絡する。」などというものであった。
7 靴下、靴、靴紐
靴の色に関する規制が確認できた学校は69校中63校(91%)であった(複数の色から選択が可能な学校は3校)。また、靴の色に関する規制を設けている学校の多くは、靴を紐靴に限定しており、紐の色まで指定していた学校が69校中54校(78%)確認できた(複数の色から選択が可能な学校は2校)。
靴下についても、色に関する規制が確認できた学校が69校中56校(81%)、長さに関する規制が確認できた学校は51校(73%)、ワンポイントすら許容しないと明示している学校が12校存在した。
8 防寒着
(1) コート類に関する規制
ア コート等の種類・色に関する規制
コート類(コート、ジャンパー、ウィンドブレーカー、ブルゾンな ども含む。以下「コート等」という。)に関する規制を確認できた中学校は69校中48校(約70%)であった。このうち、コート等の種類に関する規制を確認できた中学校は46校あり、Pコート、スクールコートに限定する中学校が多数見受けられた。また、コート等の色に関する規制を確認できた中学校は44校であった。このうち、特定の色を指定する中学校が43校、華美でないものとする中学校が2校あった。
イ その他コート類に関する規制
コートの柄(無地、ワンポイント等)を規制する中学校が9校、フードを禁止する中学校が11校、コート等の長さを規制する中学校が2校、ボタンの色を指定する中学校が3校、ベルトや肩章などコート等の装飾に関する規制が確認できた中学校が5校あった。
(2) セーター、トレーナー、カーディガンに関する規制
セーター、トレーナーに関する規制を確認できた中学校は69校中57校(約83%)あった。具体的には、Vネックのみ、パーカー・ハイネック・タートルネック禁止などその種類に関する規制が確認できた中学校が26校、色に関する規制が確認できた中学校が56校(約81%)、柄(無地、ワンポイント等)に関する規制が確認できた中学校が42校あった。
カーディガンに関する規制を確認できた中学校は69校中45校あった。このうち、色に関する規制が確認できた中学校が43校、柄やデザイン(網目の模様、編み方、ボタンの色等)に関する規制が確認できた中学校が27校、学校指定やこれに準じるものとしてカーディガンの種類を限定する中学校が6校あった。このなかには、「学校に展示された見本のカーディガンと同色、同デザインのカーディガン」や「細糸のメリアス編みのカーディガン」など細かく規制している中学校もあった。
また、カーディガンに名札をつける旨を明記する中学校が25校あり、左胸等への縫付けを明記する中学校が16校あった。
さらに、カーディガンの着用について、女子生徒、あるいはセーラー服着用時の女子生徒のみ認める中学校は13校あった。
(3) マフラー、ネックウォーマー、手袋等の防寒具に関する規制
マフラー、ネックウォーマーに関する規制を確認できた中学校は69校中48校(約70%)あった。具体的には、「華美でないもの」「派手でないもの」と規定する中学校が22校あり、マフラーの長さに関して規定する中学校は6校あった。このうち、「長さは150センチメートル」と具体的な長さを指定する中学校も見受けられた。
手袋に関する規制を確認できた中学校は69校中47校であった。「華美でないもの」「派手でないもの」と規定する中学校が20校あり、飾りがついたものを禁止する中学校が2校あった。
(4) 防寒着・防寒具の校舎内での着脱に関する規制
校舎内でコート等の着用を禁止する中学校は35校あった。このうち 昇降口で着脱させることを明記する中学校は6校あった。マフラー、ネックウォーマー、手袋について、校舎内での着用を禁止するものが43校(約70%)、学校の昇降口で着脱させる旨を明記する中学校が8校あった。
9 持ち物
(1) 鞄に関する規制
鞄の種別について規制を定めている学校は、69校中15校あり、その全てが学校指定のスクールバッグしか使用してはいけないとの内容を定めていた。鞄に付ける装飾品に関する校則を定めている学校は、69校中23校あった。
具体的には、装飾品については、大きさの指定があるもの(例えば生徒手帳に隠れる大きさとするもの)が13校、個数の指定があるもの(例えばキーホルダーは1個までとするもの)が15校であった。
(2) 携帯電話に関する規制
携帯電話を持ち込み禁止とする学校は、69校中7校であった。
(3) その他持ち物に関する規制
ア 制汗剤、汗拭きシート、日焼け止め等
制汗剤や汗拭きシート、日焼け止め、リップクリーム、ハンドクリームに関する校則を設けている学校は、69校中12校であった。そのうち、制汗剤、汗拭きシートについては10校が規制を設けているが、許可制は1校、無臭なら可とするものが2校であった。また、日焼け止めについて校則を設ける学校は6校であり、そのうちスプレータイプはNGとするものが2校、「家で塗っていく、塗り直しは更衣室で行う」等の場所の規制があるものが2校であった。さらに、リップクリームとハンドクリームについて規制を設けているのは6校であり、その全てにおいて無色無臭のもののみ可となっている。
イ 使い捨てカイロ、金銭、飲食物
使い捨てカイロに関する校則を定める学校は69校中3校であった。その内容は、使い捨てカイロは使用して良いが見えるように使用しない、使い捨てカイロは許可するが使用後は必ず家に持ち帰って処分するというものである。金銭の所持を禁止とする学校は69校中5校あり、そのうち教師に預けるものとするのは2校であった。飲食物に関する校則を定める学校は69校中8校あった。そのうち飲料の種類を指定するもの(お茶か水なら可)は6校であり、ペットボトル飲料の持ち込みを不可とするのは1校であった。
10 学校外行動
遊戯施設(ゲームセンターやカラオケボックス、映画等)への立ち入り制限に関する校則を定める学校は69校中7校あり、そのうち保護者の許可又は同伴を必要とするものは5校あった。また、アルバイトを禁止する学校は69校中2校あった。さらに、通学に関する校則を定める学校は10校あり、登下校中の買い食いを禁止する学校が7校あった。通学については、自転車通学を禁止するものが9校、通学路の制限をするもの(例えば登下校は学校で決められている通学路を通るとするもの)が2校であった。加えて、生徒の外出や外泊に関する定めをおく学校は5校であった。そのうち外泊を禁止とするものが4校、外出の制限をおくもの(例えば、外出するときは、行先、用件、帰宅予定時刻を保護者に伝え、日没前に帰宅することとするもの)が4校であった。
第3 特別支援学校における校則調査の結果
1 開示された校則の概要
開示された文書の一つは、タイトルが「5.生活について」とされている6項目のものである。その体裁を見る限り、入学時などに保護者に配布される資料の一部ではないかと思われる。少なくとも、生徒向けに作成・配布されたルールではない。また、性別により異なる定めも見当たらない。
もう一つの文書は「学校生活のきまり」とのタイトルが付けられ、「学校での一日の生活のしかた」、「見だしなみについて」、「その他」の3項目で構成されている。すべての漢字にふりがなが振られており、生徒に示すことが想定されていることが分かる。
いずれも学校生活を送るうえで必然的に生じる決まりごとが定められていた。
2 標準服
特別支援学校の校則においても、標準服についての規定があり、「原則は福岡市の標準服または、それに近いもの」といった定めがあった。また、1校については、これに加え、「ボタンをきちんと留め、シャツの裾を出したりしない。ズボンやスカートは腰の高さの位置ではく。」との定めが置かれている。
もっとも、「実態に応じて準備してください。」と併記されており、実際、福岡市立の特別支援学校では、中等部の生徒が標準服で通学していることはほとんどないようである。
3 頭髪・眉
開示された校則の一つには、頭髪や眉について、「パーマや髪染めはしない。」、「整髪料等は使用しない。」、「眉を剃ったり、細くしたりするなどの加工をしない。」といった定めがあり、比較的詳細な定めが置かれている。
第4 当事者ヒアリングの結果
当会では、福岡市内の中学生、保護者、教職員の合計十数名から聞き取り調査を実施した。以下、当事者ヒアリングの結果について詳述する。
1 校則で制限する理由についての説明
【聞き取った中学生が実際に体験した事実】
・髪型やゴムの色を決める理由について先生から「統一感を出すため」と言われた。
・後髪を縛る時は耳よりも下の位置でなければならないが、その理由を尋ねると先生から「男子がうなじを見て欲情するから」と言われた。
・髪を結ぶ位置が耳よりも下なのはなぜかと尋ねると、先生から「政府がそう言っている」と言われた。
・ツーブロックがいけないのも「政府がそう言っている」と言われた。
・先生は「同じ服装をするからこそ出る個性」と言うが、それは間違っていると思う。髪型など自由にした方が個性が出ると思う。
2 書かれていない校則による制約
【聞き取った中学生が実際に体験した事実】
・生徒手帳に載っていない校則が多い。
・校則では前髪は眉毛を超えないとあるのに、眉上でなければならないと指導された。
・校則では髪を結ぶゴムが黒・紺・茶と指定されているが、茶色のゴムをしていても「明るすぎ」と指導され買い直さなければならなかった。
・校則では靴下の色は「白」としか規定されていないのに、実際には織り目が縦に入っている靴下でなければ校則違反として指導される。
・事前の連絡なく靴下のワンポイントが禁止され、校則違反の指導を受けた。それまで使っていた靴下がダメになった。
(聞き取った中学生が目撃した事実)
・友人が、おでこの産毛を剃ったところ、生徒手帳にはおでこの産毛を剃ってはいけないという規則はないのに、教師から職員室前で1時間半、立ったまま指導された。泣いていても指導は終わらなかった。
3 制限の目的が不明な校則
【聞き取った中学生が実際に体験した事実】
・無言清掃
・無言給食
・職員室前無言通行
・他の階には行ってはならない。
・他の教室に行ってはならない。
・多目的トイレは使ってはならない。
・暑くても袖をまくってはいけない。
4 校則に関する指導の状況
【聞き取った中学生が実際に体験した事実】
・スカート丈の検査は全員体育館に集められ、両手を前に水平に出して、膝立ちをさせられる。体育館には男子もいる。
・体操服に着替えているときに教師が入ってきて(下着について)指導をされたことがある。
・ある教科では「校則ひとつで高校落ちるぞ」と毎回20分ほど同じ話をされる。授業をして欲しい。
・何かと「連帯責任」を取らされる。
・「連帯責任」って教師によるイジメだと思う。
・男子女子が一緒に区切りもなく体育館で一斉に生活点検をされる。その際、女の先生から下着の色をチェックされるが、男子もいるから恥ずかしい。
・生徒のことを呼び捨てにする先生が多い。下の名前を呼び捨てにする先生もいる。
・体育の後、靴下が下がっていると先生から「わざとやろう」と文句を言われる。
・靴下違反と指摘されると靴下を脱いで裸足で上靴を履かなければならない。
・名札を忘れると、名前を書いたガムテープを胸に貼られる。
・眉毛を整えたら、生えるまで毎朝職員室でチェックを受けなければならない。
・校則違反と指導を受けたら、掃除や草抜きをさせられる。
・横髪が少しでも耳にかかっていると「部活やめろ」と言われる。
・先生に気に入られている生徒はあまり指導されない。
・先生の機嫌に左右される。
・学年全員が集められて服装指導を受けるが、その間全員黙想しなければならない。
をする。
・「今自分がしている格好でいつでも高校入試に行けるようにしろ」と言われる。
【聞き取った中学生が目撃した事実】
・コロナで学校に行けず5月下旬にやっと入学できたのに、入学してすぐに、中1の女子生徒が男の先生から下着の色を指摘され、それ以来学校に行くことができなくなった。
・寝癖がついたまま登校した生徒を先生は他の生徒がいる前で大爆笑して笑い者にし、校則違反と指導した。髪の長さや色は違反していなかった。整髪料や縮毛矯正も許されていないので癖毛の生徒は大変だと思う。
・もともと髪の色が明るい生徒に対し、毎回「気をつけなさい」と指導していた。
・地毛なのに2か月以上毎日職員室に髪の色を見せにいかされた。保護者が抗議しても「親ぐるみのことがあるから」と言って続けさせられた。
・靴下が短いからと没収され、別の靴下を渡された。自分の靴下は返してもらえなかった。
【保護者から聞き取った事実】
・不登校の生徒がせっかく登校しても服装違反ということで学校に入れてもらえなかった。
・校則通り15cmと表示がある靴下を買って履いていったのに、教師から右足は合格、左足は不合格と言われ買い換えるよう指導された。たまたま左足がずり落ちていただけなのに、教師からはずり下がっても15cmになるものを買えと言われた。
・母親から教師に「靴下15cmルールやめませんか」と言うと教師から「なぜ守ろうとしないんですか」と言い返された。
・忘れ物をしても友人に借りたり、教科書を見せてもらったりしてはならず、教師から犯罪者のように扱われる。
・地毛証明書を提出させられる。
・廊下に一列に並ばされ、シャツの胸をはだけ、先生が生徒一人一人の下着をチェックする。
・靴下の長さで呼び出されて昼休みが終わるまで叱られ、帰りの会でも立たされ、他の生徒の前で説教をされた。
【教職員から聞き取った事実】
・先生が自作した靴下の長さを測る器具を使って生徒の間を歩いて検査している。
・眉毛に手を入れている生徒は、生えるまで毎日職員室で検査する。
5 校則についての生徒の意見表明の状況
【聞き取った中学生が体験した事実】
・生徒会で校則について議論をしていたところ、先生から校則の議論はしてはならないと止められた。
・校則がおかしいと声に上げることはない。言っても無理だから諦めている。
・先生から生徒総会は校則について話し合う場じゃないと釘を刺された。
・生徒総会で校則に関する質問が出たらそれを止めるように先生から言われた。
・生徒会は校則について触れてはいけないと先生に言われた。
・廊下で男子はツーブロック禁止でかわいそうねと話をしていると、それを聞いていた先生が「ツーブロックで高校受験に行ってみろ。後輩たちのために自分の人生賭けてみるか」と怒鳴られた。
・校則ついて意見をすると「内申に響くぞ」と言われる。そのため口をつぐんでしまう。
・生徒が集団になって訴えても、大人が間に入ってくれないと先生に丸め込まれる。
・理不尽な指導に不満気でいると先生から「そんな態度なら内申やらんぜ」と言われる。
・生徒が正論を言っても先生は納得しない。それどころか逆に説教される。
【聞き取った中学生が目撃した事実】
・社会の教科書の人権のページを示して先生に抗議した生徒もいる。
・生徒会に立候補する生徒がスピーチ原稿に校則のことを書いていたところ、他の生徒がいる前で、先生はその生徒が泣くまで長時間説教をした。そのため校則に関するスピーチはできなかった。
【教職員から聞き通った事実】
・生徒たちが校則について話題にできる制度はない。生徒総会でも校則について話題にしようとしても、「校則は先生たちが決めるもの」と言って話題にさせないと思う。
6 校則がなかったらどうなるか
【中学生の声】
・校則がなければ、意見も出しやすく明るい学校になると思う。
・校則がなかったら良いのにといつも思っている。
・校則がなくなっても生徒たちがグレることはないだろう。むしろストレスがなくなりちょっと元気になると思う。
・校則がなくなったら、他の子がどんな子かもっとよく知る機会になると思う。
・校則がなくなったら、学校が楽しくなると思う。
・校則がなくなったら、先生に怒られることもかなり減ると思う。
【保護者の声】
・先生は「服装の乱れは心の乱れ。心の乱れはヤンキーの第一歩」と言うが、校則がなくてもヤンキーにはならないと思う。
【教職員の声】
・校則がなくなったら、最初は少し派手になる生徒が出てくるかもしれないが、そのうち落ち着いてめちゃくちゃにはならないと思う。
・校則がなくなったら、教師と生徒の人間関係も良くなるのではないか。
7 その他
【中学生の声】
・小学校までは細かく言われることがなかったのに、中学校に入学した途端、細かな校則で規制される。本当にそんなことをする必要があるのか疑問に思う。
・一人一人個性があるのに統一する必要はないんじゃないか。
・生徒には厳しいくせに、先生は水色のピアスにピンクの口紅、髪も染めてウルフカットにしている。
・先生の言葉遣いが悪い。怒鳴り散らし、高圧的。
・部活を辞めさせてもらえない。退部届をもらわないといけないが、先生がくれない。
・学校で感じるストレスの7割が校則。
・校則のせいで学校に行くことがストレスになる。
・変な校則について、先生の方が間違っていると思うが、大人とケンカしなければいけないことにストレスを感じる。
・生徒会で校則について変えられるようにして欲しい。
・今ある校則で残した方が良いと思うものはない。
以上
(別紙)校則調査結果一覧(PDF)