福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画
2012年12月27日
会長日記
会長日記
平成24年度福岡県弁護士会 会 長 古 賀 和 孝(38期)
澄んだ青空から曇天の日々が多くなり、肌寒さを感じる季節となりました。昨日、大相撲九州場所の初日を迎え、さらに来月の福岡国際マラソンの号砲を聞きますといよいよ福岡の師走となります。皆様方、体調にはくれぐれもご留意下さい。
11月2日、韓国ソウル弁護士会呉旭煥会長他20数名の方々が、全国に先駆け実現しました当会の当番弁護士制度視察のため来福されました。協議会の内容については別稿に譲りますが、内容豊かな意見交換となったと聞いております。ソウル弁護士会は日本で言えば東京三会に匹敵する韓国で突出した大規模弁護士会で、正に、韓国法曹界を代表する団体といってよく、その発出される意見は法律実務に与える影響が極めて大きいところがあるとのことです。視察先として当会が選ばれたことは誠に光栄で、制度発足後、日夜ご協力頂いている会員各位のご尽力の賜といって良いと思います。呉会長は今年3月にも当会を訪問されており面識もありましたので、懇親会の席では一層親しくお話をさせて貰い、大変盛り上がりました。しかも日本語も堪能で、全く韓国語ができない私に日本語で話しかけて頂き恐縮いたしました。
当会役員がご挨拶に使う名刺には「不安を安心に」との当会独自のキャッチフレーズが記載されておりますが、呉会長は韓国語の自分の名刺を示し、『私の名刺には「弁護士に優しく、市民に優しく」と書かれております』と笑顔で説明してくれます。弁護士に優しくとの意味ですが、どうも、弁護活動に見合った十分な報酬をとの意味もあるようで、なかなか積極的な対応をされていると感心したものです。韓国は弁護士の海外進出を精力的に推し進め、自国経済と一体をなす戦略を採用しているとのこと。今年9月に和歌山県で開催された日韓弁護士サミットにも呉会長は出席されており、大いに自国のアピールをされたと聞いております。法曹養成制度を一変し、法曹一元を実現させ多くの合格者を輩出しつつ、弁護士の有用性を前面に打ち出していく姿勢に韓国の大いなる勢いを感じます。
転じて、10月に開催されました日弁連理事会では、日弁連会長選挙に関する選挙制度改革の意見聴取を今後行うことが報告されました。ご存じのとおり、本年度日弁連会長選挙は異例の再選挙となり、年度が開始した5月に日弁連会長が決まりました。この間、新旧執行部の事務引継が停滞し、新年度方針決定が遅れる事態を招いております。国の各種立法にあたり、日弁連は様々な提言を行い、国会議員、省庁、官僚、各種団体役員と面談、協議し、日弁連の考えを伝え反映させる活動を行うのですが、新年度になっても会長が決まらないことから、大きく出遅れてしまったと言われています。決められない政治、このフレーズはよく耳にするのですが、実は私たちが所属する日弁連にも該当します。他方、決めるための選挙制度に改訂することは良いのですが、多数決一本で実施すれば、大単位会のキャッチボールで会長が決定されることとなり、地方の会員、単位会の意見がないがしろにされるとの危惧もあります。日弁連のリーダーとしてふさわしい人を適正に決める制度の構築は、言うは易く、行うは難し。12月に予定しております臨時総会において、議論の詳細を会員の皆様にご説明すると共に、協議を行いたいと思っております。
先にご紹介しましたソウル弁護士会呉会長は、次年度韓国弁護士会会長、すなわち、日本で言えば日弁連会長に就任される予定とのことです。因みに、年齢は1960年生まれと教えて貰いました。九州福岡が特にお好きのようで、日本語の持ち歌は、「無法松の一生」、「九州男児」などで聞き惚れます。ものが違います。