福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2012年12月27日

会長日記

会長日記

平成24年度福岡県弁護士会  会 長 古 賀 和 孝(38期)

1 暑く長かった夏も終わり、すっかり秋めいてきました。天上の青空も秋の風情の鰯雲をたなびかせ、実に気持ちの良い季節となりました。10月初めの三連休の一日、日頃のストレス発散ではありませんが、ススキも揺れる阿蘇路のドライブとしゃれ込み、既に10年を経過した愛車をかっ飛ばして参りました。残り半年をアグレッシブに活動していきたいと考えております。
2 9月終わりから10月にかけては、大きな催しが目白押しで変化に富み、また、多くの人たちとの交流を行い、大変参考になりました。9月21日は新第65期司法修習生の実務修了式が行われ、これから過酷な後期修習に向かう修習生を送り出しました。当地福岡での短いながらも多くの実りある経験を今後の法曹人生に活かして頂きたいと祈念しております。この三庁で行う修習生修了式およびそれに引き続く送別懇親会については、経費負担の面などからこれを今後も維持するかどうか各庁から意見も出ているところではありますが、実務修習に一区切りを付ける意味や各法曹の意見交換の場としての意味合いもあり、弁護士会としては是非とも継続していきたいと考えています。
3 9月27日には駐福岡中国総領事館による63周年国慶節祝賀会、10月3日には駐福岡大韓民国総領事館による建国記念日を祝う国慶日レセプション、同5日には台北駐福岡経済文化辦事處および福岡縣中華總會による101年国慶節祝賀レセプションが各開催されました。昨今の厳しい政治情勢はありますが、関係者のスピーチは挙って民間の草の根交流を基にして両国の友好関係を維持していこうとの前向きなものでした。私もできるだけ多くの参加者と意見交換を行いましたが、その中で、海外との経済交流はもとより、文化交流においても弁護士の役割をアピールしていくことの重要性を実感したところです。日常の弁護士業務を見ますとなかなか外国に目を向ける機会が少ないのですが、私共弁護士、弁護士会に寄せられている期待は、一面厳しいところもありますが、概して、海外交流の同行者という点では、大きなものがあるように感じました。とりわけ、9月初めには政府間で開催される日韓フォーラムが中止となり、その後引き続き行われる予定であった釜山フォーラムも最終的には延期となってしまいました。この釜山フォーラムについては当会が両国間の経済障害に関する法的問題点の報告をする予定となっており、国際委員会を中心にドラフトを作成して頂き、準備万端を整えていたこともあり、誠に残念と言うほかありません。韓国総領事館主催のレセプションにて参加されていた財界・大学関係者と協議を行い、また、近いうちに実施となる可能性が大いにあることから、さらに弁護士会の協力を依頼されて参りました。是非とも、発表が日の目を見ることを心から念じております。
4 10月5日には佐賀市において第55回日弁連人権擁護大会が開催されました。佐賀での開催によって全国で全ての単位会での開催が実を結んだとのことで、意外な気もしましたが、子ども教育権を守るための教育政策決議、自死のない社会を目指す決議、豊かな海を守るための沿岸域保護宣言など、時宜を得た決議が可決されました。当会からも多くの会員が決議説明員として関与され、また、会場発言者としても意見を述べられました。当番弁護士、全件付添人制度などこれまでも新たな法制度の風は西から吹き、大きな実りを上げると言われて参りました。人権擁護大会に出席して、今更ながらに、当会会員の地道な活動に依るところが大きいところを実感した次第です。

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平成24年度福岡県弁護士会  会 長 古 賀 和 孝(38期)

澄んだ青空から曇天の日々が多くなり、肌寒さを感じる季節となりました。昨日、大相撲九州場所の初日を迎え、さらに来月の福岡国際マラソンの号砲を聞きますといよいよ福岡の師走となります。皆様方、体調にはくれぐれもご留意下さい。
11月2日、韓国ソウル弁護士会呉旭煥会長他20数名の方々が、全国に先駆け実現しました当会の当番弁護士制度視察のため来福されました。協議会の内容については別稿に譲りますが、内容豊かな意見交換となったと聞いております。ソウル弁護士会は日本で言えば東京三会に匹敵する韓国で突出した大規模弁護士会で、正に、韓国法曹界を代表する団体といってよく、その発出される意見は法律実務に与える影響が極めて大きいところがあるとのことです。視察先として当会が選ばれたことは誠に光栄で、制度発足後、日夜ご協力頂いている会員各位のご尽力の賜といって良いと思います。呉会長は今年3月にも当会を訪問されており面識もありましたので、懇親会の席では一層親しくお話をさせて貰い、大変盛り上がりました。しかも日本語も堪能で、全く韓国語ができない私に日本語で話しかけて頂き恐縮いたしました。
当会役員がご挨拶に使う名刺には「不安を安心に」との当会独自のキャッチフレーズが記載されておりますが、呉会長は韓国語の自分の名刺を示し、『私の名刺には「弁護士に優しく、市民に優しく」と書かれております』と笑顔で説明してくれます。弁護士に優しくとの意味ですが、どうも、弁護活動に見合った十分な報酬をとの意味もあるようで、なかなか積極的な対応をされていると感心したものです。韓国は弁護士の海外進出を精力的に推し進め、自国経済と一体をなす戦略を採用しているとのこと。今年9月に和歌山県で開催された日韓弁護士サミットにも呉会長は出席されており、大いに自国のアピールをされたと聞いております。法曹養成制度を一変し、法曹一元を実現させ多くの合格者を輩出しつつ、弁護士の有用性を前面に打ち出していく姿勢に韓国の大いなる勢いを感じます。
転じて、10月に開催されました日弁連理事会では、日弁連会長選挙に関する選挙制度改革の意見聴取を今後行うことが報告されました。ご存じのとおり、本年度日弁連会長選挙は異例の再選挙となり、年度が開始した5月に日弁連会長が決まりました。この間、新旧執行部の事務引継が停滞し、新年度方針決定が遅れる事態を招いております。国の各種立法にあたり、日弁連は様々な提言を行い、国会議員、省庁、官僚、各種団体役員と面談、協議し、日弁連の考えを伝え反映させる活動を行うのですが、新年度になっても会長が決まらないことから、大きく出遅れてしまったと言われています。決められない政治、このフレーズはよく耳にするのですが、実は私たちが所属する日弁連にも該当します。他方、決めるための選挙制度に改訂することは良いのですが、多数決一本で実施すれば、大単位会のキャッチボールで会長が決定されることとなり、地方の会員、単位会の意見がないがしろにされるとの危惧もあります。日弁連のリーダーとしてふさわしい人を適正に決める制度の構築は、言うは易く、行うは難し。12月に予定しております臨時総会において、議論の詳細を会員の皆様にご説明すると共に、協議を行いたいと思っております。
先にご紹介しましたソウル弁護士会呉会長は、次年度韓国弁護士会会長、すなわち、日本で言えば日弁連会長に就任される予定とのことです。因みに、年齢は1960年生まれと教えて貰いました。九州福岡が特にお好きのようで、日本語の持ち歌は、「無法松の一生」、「九州男児」などで聞き惚れます。ものが違います。

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