福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2012年6月29日

会長日記

会長日記

平成24年度福岡県弁護士会 会 長 古 賀 和 孝(38期)


 
 弁護士会活動のアピールを兼ねる役員就任の挨拶回りが終わりに近づく頃から、各部会集会が始まり、役員はこれに出席することになります。本年度は4月18日の筑豊部会(27名)に始まり、20日の筑後部会(81名)、25日の福岡部会(722名)、そしてトリが北九州部会(157名)となりました(なお人数は平成24年5月10日時点のものです)。福岡部会を除く各部会集会は、高い参加率でしかも近時の新規登録者の増加を反映して、大変な盛り上がりです。筑豊部会は27名の会員の内、20数名の参加を得て開催されましたが、さながら若手の決起集会の様子で、法律相談センターの自立化、評議員会の復活など大いに議論されました。筑後部会でも多くの若手会員が参加し、先輩弁護士からこれまでの部会の活動経過が説明されるなどどこか新旧バトンタッチを意識したやり取りがあり、部会の統一性維持のための腐心されている様子が理解できました。北九州部会では、法律相談センターの活動、部会評議員会の持ち方などについて会員間で熱心な討議と共に、北九州部会独立の運動経緯、今後の方針が先達会員から詳細に説明されました。いずれの部会においても、集会後に懇親会が企画され、弁護士会職員を含め部会集会参加者以外の会員も加わり、大変な賑わいです。各部会のことは各部会で議論の上決定し、実践するという、部会制度の長所が良く理解できました。福岡部会はと言うと、正直なところ部会集会参加者も少なく、出席率は低調で一抹の寂しさを感じざるを得ません。1000名に到達しようとしている県弁会員の内、福岡市周辺偏在が如実に現れ、若手と先達との絆の希薄化を痛感したものです。部会制度の長所、利点を生かす部会運営について考えさせられる部会訪問でした。

 今年のゴールデンウィークの初日である4月28日は「秘密保全法に反対するシンポジウム」が、新緑まぶしく、大勢の行楽客でにぎわう福岡市のど真ん中にある天神ビル11階会議室で開催されました。こんな陽気の中で、何故に、連休初日に開催されるのか、と訝しく思われる会員もおられましょう。しかし、シンポジウムの詳細はこの月報にて報告がありますので、そちらに譲りますが、やはり開催しなければならない理由があるのです。一昨年9月の尖閣諸島沖での中国船と海上保安庁の巡視船衝突を契機として、突然、与野党相乗りで提案が予定された同法案は、規制の対象となる秘密の意義、指定方法、対象者、罰則いずれを見ても問題があります。幸い、法案提出は見送られたようですが安心はできません。パネリストとして出席いただいた外務省秘密漏洩事件の当事者である西山太吉氏の発言は強烈です。曰わく、秘密、秘密と言うが都合の良い秘密は当局が意識して漏洩することもある、しかし、秘密の根幹、本質は違法な隠蔽を要する秘密にあるのであって、法案の最終目標はこれに尽きると。そういえば尖閣事件報道の際、思い出すのは政府がそもそも情報収集を含め無策状態で、右往左往する姿を国内外に露見させたところにあります。自らの失策を露見させることを防止することが秘密保全法制定の発端とも言えます。旧ソ連のジョークで、政府中枢が馬鹿であると呼ばわるのは国家の存亡を危うくする極めて重要な国家機密の漏洩に当たる、よって厳しく処罰される、というものがあったように記憶しています。全く笑えない話です。

 5月1日、2日に開催される日弁理事会に出席するため、4月30日から上京しました。物見遊山で完成したばかりの東京スカイツリーをほんの近くから見物してきました。高いわ高いわ天をも突き通さんばかりで偉容を誇っています。是非とも上って関東一円を望んでみたいと思います。さて、日弁理事会では先に実施された2回目の会長選挙の結果を受けて、宇都宮前会長、山岸会長予定者の挨拶がありました。もともと旧知の仲ということで選挙戦を振り返っての話しは殆ど出ませんでした。選挙管理委員会による確定前であったため、今回の理事会までは宇都宮前会長が議長を務め、山岸会長予定者はオブザーバーとして傍聴されておりました。中途半端なキャスティングで、議論は東京スカイツリーには到底及ばない、見通しの良くないものに感じました。詳細は秋月副会長のご報告を。

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