福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2010年9月 6日

会長日記

会長日記

平成22年度会 長市 丸 信 敏(35期)

はじめに6月12日、九州地方の梅雨入りが発表されました。宮崎県での口蹄疫被害は容易に治まらず、梅雨との困難な闘いを余儀なくされることが案じられています。来る8月7日に福岡市(福岡地裁)で開催される高校生模擬裁判選手権九州大会には、宮崎県から宮崎西高校が初参加する予定です。この月報が会員の皆さまのお手元に届く頃には、口蹄疫問題が沈静化していることを、そして、宮崎県の関係者の一日も早い再起を願う次第です。先にご案内のとおり、宮崎県弁護士会(松岡茂行会長、福岡県出身)は口蹄疫被害に関するボランティアの活動を支援するため、自らも多額の義捐金を拠出したうえ、各会にも協力を呼びかけています。重ねて会員の皆さまのご協力をよろしくお願い致します。(義捐金送金口座;宮崎銀行宮崎支店(普通預金)96325「宮崎県弁護士会緊急ボランティア支援基金 会長 松岡茂行」)司法修習生の給費制維持への運動今月もまた、修習生の給費制維持運動の報告とご協力願いからです。執行部がこの取り組みを始めて分かってきたことの一つに、身近なところにいる若手弁護士のうちにも、法科大学院当時の授業料等で多額の奨学金等の負債を抱えているひとが少なくないという厳しい事実があります。でも、そういった人たちが、続くべき後輩のために先頭に立ってこの運動に取り組んでくれています。・ 天神での街頭行動(6月7日~11日)上記の5日間、毎日、昼休みの1時間、天神交差点(パルコ前)で街頭行動を行いました。連日入れ替わりで駆けつけてくれた10数名から20名ほどもの多くの会員が、梅雨入り前の強い紫外線をものともせずにビラ配り・署名集めに汗を流しました。新人・若手の会員を含めて、多くの会員が交代で次々とハンドマイクを手にして、切々と市民に訴え、理解と署名への協力を求めました。とりわけ自身や仲間の実情を訴える若手の会員の声には説得力がありました。(写真1・2)街頭行動を始める前には、この問題は、なかなか市民の皆さんにはわかりにくい問題で、容易には共感が得られないのではないかと覚悟していましたが、意外にも沢山の人に関心を払って頂き、期待以上の署名が得られました。初日の模様をTV、新聞それぞれで報じてくれた効果もあったと思いますが、それ以上に、「頑張ってください」と声をかけて署名に応じてくださる市民が少なくなかったことに表れているように、弁護士や弁護士会がこれまで努めてきた幅広い公益的な活動に対して市民の皆さんの理解や支持があったからこそだと実感しました。これからの取り組みに向けて大いに勇気が得られた思いです。ご協力頂いた会員の皆さまに、あつく感謝申し上げます。次回の街頭行動は、7月12日~16日、今回と同様に、天神交差点で昼休み(11:45~13:00)に挙行します。今回にもまして沢山の会員で辺りを埋め尽くしたいと思います。どうか、短い時間で結構ですので、ご協力をよろしくお願いします。・ 市民集会(7月31日)への参加ご協力を!給費制維持に向けて、下記の通り、市民集会を開きます。この運動のピークをこの大会に持ってきて、市民・マスコミ・国会議員に向けて最大のアピールの機会にしたいと思います。どうか、一人でも多くの会員の皆さまに、一人でも多くの連れをお誘い頂いて参加して頂きますよう、よろしくお願いします。 日時 7月31日(土) 午後3時~5時 場所 福岡市「中央市民センター」        (高等裁判所ま裏) 終了後、天神までデモ行進・ 署名協力のお願い会員の皆さまには、6月10日付で、署名用紙をお届け致しております。当会としての署名集めの目標は5万人です。お配り致した用紙は会員お一人に10枚。1枚で10人まで署名できますので、お一人で100人。会員数は870名(6/11現在)ですので、5万人の署名は決して達成困難な数字ではありません。どうか、ご家族・事務員さん・友人・知人・お客様・顧問先等々から、沢山の署名を集めて頂きますよう、よろしくお願い致します。用紙が足りない分は、コピーして頂いた用紙でも大丈夫です。定期総会・役員就任披露宴等(5月25日)5月25日には、新執行部にとっての重要行事である定期総会、役員就任披露、記念講演会が、会員の皆さまのご協力のおかげで、いずれも盛会のうちに無事終えられました。定期総会には、100名を超える会員の皆さまにご出席(本人出席)を頂き、決算・予算案はじめ、すべての議題を無事にご承認頂きました。なかでも、中小企業への積極的な法的支援を行う宣言、国選付添人制度の拡大を求める決議、司法修習費用給費制の維持を求める緊急決議という、いずれも重要な宣言・決議案は、執行部として期待していた以上の力強い賛成意見の数々に支えられて、いずれも満場一致で採択されました。これら宣言・決議については、総会終了後に直ちに会場のホテル内で開いた記者会見を経て翌朝の日刊紙数紙に報道され、当会からのメッセージの発信がいささかできたものと思っております。 総会についで開催致しました役員就任披露宴にも、210名ほどのお客様(内、一般来賓140名余)に出席を頂きました。一般来賓には、弁護士会が取り組んできている社会的活動、公益的活動の一端や、弁護士(会)の人権擁護・社会正義の実現に向けた諸活動の姿やその心意気を少しでも理解して頂きたい、司法修習生に対する給費制の維持が重要であることをご理解・ご支持頂きたいとの一念で企画し、新しい試みとして会場内でのパネル展示などの準備をさせて頂きました(写真3)。準備・運営をお手伝い頂き、また、ご出席を頂きました沢山の会員の皆さまに、心から感謝申し上げます。(なお、これらのパネルは、現在、県弁護士会館内に展示しておりますので、来館の折りにご覧下さい。)総会に先立ち開催しました記念講演会「どん底の会社よ、よみがえれ!」には、181名もの聴講者に来場頂きました。講演会では、中小企業を支援することは命を守ることに他ならないと、みずからの経験を踏まえて静かに語る講師・村松謙一弁護士(東京弁護士会)のメッセージは、感動的で、弁護士としての原点(魂)を呼び覚まされた思いでした。中小企業支援活動は、当年度執行部が掲げた最重点課題です。釜山地方弁護士会との交流20周年記念式典・祝賀会(6月11日)6月11日、当会と釜山地方弁護士会との交流20周年記念式典・祝賀会が福岡市内のホテルで盛大に挙行されました。式典で基調講演を頂いた九州経済調査協会の森本廣理事長の話にもその趣旨がありましたが、一口に20年と言っても、一世代が入れ替わるにも相当する年月です。この20年間の交流で取りあげられた実務協議のテーマは数え切れないほどあります。会場に参席頂いた両会の歴代の会長や執行部、国際委員会などの皆さんが釜山の旧友と親しく韓国語を交えながら会話を交わしておられる姿を拝見しますと、自分などヒヨコ同然であることを痛感しました。偶然の巡りあわせとはいえ、このような大きな節目に大事な役を任されて、光栄かつ恐縮の思いを致すとともに、この隣人との国際交流を、今後に向けて持続させ、受け継いでゆかなければと強く感じた次第です。未来を担って頂ける当会の若手会員も多数参加して頂いた2次会で、釜山のメンバーと腹蔵無く爆弾酒・カラオケに興じ得たことも有意義なひとときでした。なお、今回、釜山地方弁護士会(会員数404名)からは、実に110名(家族を含む)もの大訪問団の来訪を受けました。(当日の祝賀会は、総勢で220名もの参加者でにぎわいました。)この20周年の記念式典は、本年11月5日、釜山市においても開催予定です。このときは、当会が大訪問団をもって答礼を致す番です。国際委員会において11月5日~7日の充実した楽しい旅程を組んで頂いたうえで会員の皆さまに正式案内を差し上げる予定ですが、会員の皆さまにおかれては、あらかじめ上記日程を空けておいて頂きますよう、よろしくお願いします。国際委員会の伊達健太郎委員長、大塚芳典実行委員長ほかの皆さまには、今年2月の大連市律師協会との交流調印式・祝賀会に引き続きの大イベントのご準備、誠にお疲れ様でした。広報関連委員会等集中連絡会議(6月6日)わかりにくい会議名ですが、要は、広報関係の3委員会(広報、ホームページ、対外広報PT)と業務関係の3委員会(弁護士業務、法律相談センター運営委員会、中小企業法律支援センター)と執行部とで「半日合宿」を行ったものです。日曜日の午後!というはた迷惑な会議招集にもかかわらず、各委員会や各部会からもれなく集まって頂き、相談センターはじめ相談件数等の減少が続いている現状の認識や原因の分析、対策の協議、とりわけ対外広報の有効な在り方、これら関連委員会の連携など、熱心に意見交換しました。当会では、数年来、積極的なTV・ラジオによる業務広報を手がけてきておりますが、目下、それに留まらず、その取り組みで獲得できたパブリシティ(無料出演)枠や、新たに西日本新聞社のコラム欄(「ほう(法)!な話し」。6月4日連載開始、毎週金曜の朝刊)を沢山の委員会が手分けして執筆することとするなど、あの手この手で、弁護士会の公益活動や業務広報に努めている状況にあります。法律相談センターは、県民の皆さんが、いつでも、どこでも、だれでも、容易に司法にアクセスできるようにという、「市民の司法」を掲げて取り組んできた当会の司法改革運動のベースをなすものです。当会が県下20箇所に相談センターを展開していることは、多くの県民の方の権利擁護に大きな貢献をしてきています。私たちは、今後とも、法律相談センターの充実に努め、リーガルサービスの質を向上させる努力を不断に継続すべきと考えます。会員の皆さまの一層のご理解・ご協力を頂きたいと願う次第です。

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