福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2009年6月 4日

消費者庁関連法成立に関する会長声明

声明

 2009年(平成21年)5月29日,消費者庁及び消費者委員会設置法,並びに同法関連法案が参議院本会議において全会一致で可決成立しました。
 これらの法律は,これまでの産業育成の行政から消費者のための行政に大きく転換し,また従来の縦割り行政を打破して,消費者行政全般を司る司令塔としての役割を果たす消費者庁を設置するものです。しかも,当初の政府案に対し,衆議院での超党派の修正により,内閣府に独自の組織として消費者委員会が設置され,その独立と権限が強化されています。
 この消費者庁及び消費者委員会は,国の仕組みの変革の基点となるものであり,このような極めて重要な国の組織変更を超党派の合意により断行したことは極めて画期的なことであり,高く評価します。
 当会は,2008年(平成20年)6月18日に強力な消費者行政を一元的に担う組織を造ること,地方消費者行政をより充実させること,違法収益のはく奪等に関する実効的な法制度を導入すること等を求める「消費者行政の一元化と地方の相談体制強化を求める会長声明」を発表しています。今回,会長声明で求めた事項につき,その実現に向けた大きな第一歩が踏み出されたことは,繰り返されてきた消費者被害の防止と救済のための大きな前進であって,心より歓迎します。
 同時に,当会は,消費者庁及び消費者委員会設置法の附則並びに衆議院と参議院の附帯決議で,今後の検討課題とされた、地方消費者行政の充実のために多くの弁護士が相談員の方々とともによりよい解決に向けて努力すること,市民の手による消費者被害の防止のための重要な制度である適格消費者団体の福岡県での設立を支援すること,悪質業者が得ている違法な利益を被害者に回復させることなどの課題について,消費者の権利擁護の立場から積極的に努力を続けていく所存です。


2009年(平成21年)6月4日
福岡県弁護士会
会 長  池永 満

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