福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2004年9月16日

業務妨害に関する会長声明

声明

福岡県弁護士会 会長  松? 隆

 平成16年(2004年)9月16日

 平成16年9月1日、当会会員たる弁護士のA法律事務所に対して「自分はテロリストである。今からそこを襲う。」旨の脅迫電話があり、ほぼ同じ頃に、近くの交番に「A法律事務所に爆弾を仕掛けた。1時間後に爆破する。」旨の爆破予告電話があった。このため、A法律事務所付近においては、警察官多数による不審物捜索が行われるとともに、A法律事務所の入居するビルの入居者全員が、当該ビルから一時的に退避せざるを得ない事態となった。幸いにして、爆発物などの不審物は発見されなかったが、A法律事務所および上記ビルの入居者においては、長時間にわたり通常の業務に携わることができない状態が継続して、多大の被害を蒙った。\n A法律事務所の当会会員弁護士は、この事件当時、複数のヤミ金業者を相手方とする事件を受任しており、当日も、ヤミ金業者に対して順次に電話交渉をしていたところ、前述の脅迫電話と爆破予約電話があったこと、また、A法律事務所を詐称して飲食店にかかってきた偽注文電話の声の様子などの諸事情からして、事件相手方であるヤミ金業者の一人が脅迫電話と爆破予\告電話をしたものと推測される。
  また、同月14日には、上記とは別のB法律事務所の当会会員弁護士が、受任事件の処理のためにヤミ金業者と電話で交渉した直後に、消防署に「B法律事務所が火事だ。」との虚偽通報があり、さらに、ガス会社には「B法律事務所でガス爆発があった。」との虚偽通報があり、消防車やガス会社関係者がB法律事務所に出動する事態となった。
 これらの虚偽通報は、そのタイミングやその他の事情からして、事件相手方であるヤミ金業者が関与したものではないかとの疑いがある。  
  以上のような脅迫電話や爆破予告電話および消防署等への虚偽通報は、その対象が弁護士であるか否かを問わず、多くの人々の生活に多大な支障を来す陰湿な行為であり、しかも、弁護士の業務遂行を妨げる悪質な行為であって、決して許されるものではなく、弁護士会としてこれを見逃すことはできない。\n 4 よって、当会は捜査当局に対して、上記の脅迫電話と爆破予告電話および虚偽通報をした者に対する厳正な捜査を求めるとともに、今後、類似の弁護士業務妨害事案が発生した場合には、当会としてこれに厳しく対処することをここに表\明するものである。

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