福岡県弁護士会 裁判員制度blog
2010年3月12日
裁判員裁判 傍聴記(その7)
2月下旬、ある事件の法廷を傍聴しました。
2日目となりました。今日もテレビカメラの前撮りがありました。2分間、じっと身動きしないというのも気疲れするものです。
午前9時50分に裁判開始の予定ですが、カメラの調子が良くないようです。書記官の人たちがいろいろ操作して、ようやく動くようになり、被告人が入廷します。若い女性です。上はブラウスにカーデガン、下はジーパン姿です。いわゆるジャージ姿ではなく、町で普通に見かける女の子スタイルですので、違和感はありません。履いているのはサンダルですが、一見すると革靴のようにも見えました。裁判員に予断を抱かせないよう、被告人の衣装にも気をつけています。
被告人の腰縄・手錠が外されたあと、裁判官たちが入ってきます。一番最後に左陪席の裁判官が入ってきて、扉を閉め、全員そろって黙礼してから着席します。法廷内の全員も立って黙礼して着席しました。
昨日受けとった包丁とロープは持参されませんでした。どこかにしまってあるのでしょう。
尋問の前に裁判長が被告人に注意します。
「あなたも事件について好きこのんで言いたいことではないでしょうが、裁判所としても一生懸命に聞いていますので、できるだけ大きな声で言ってください」
被告人は黙ってうなずきました。まずは、弁護人から被告人に質問します。
質問項目を書いたペーパーを右手に持ち、自席に立って、左を机について、少し前傾した姿勢で質問します。これは実は私もよくする姿勢なのですが、傍聴席から見ていると、やはり前傾姿勢というのはあまり見栄のよいものではありません。被告人に対して熱心なあまり身をのり出しているという姿勢を示すものとも言えますが、改善したほうがよいようです。自戒の念をこめて報告します。つまり自分の席にむいて背中を伸ばして立ったほうが格好よく見えるということです。
あとで、検察官もときどき同じような前傾姿勢をとっていました。
弁護人の質問が40分間ほどあったあと、25分間の休憩に入ります。恐らく、このとき、裁判官が裁判員に対して、初歩的なことを含めて、いろいろ手続について解説しているのだと思います。
休憩後に検察官から質問があります。検察官としては、前日に被告人調書の朗読によって基本的な立証は終えているという考えのようで、被告人の今日の答弁のいくつかについて、主任そして女性検察官の順で質問していきました。
被告人の声は大きくなかったのですが、マイクが使われているようで、傍聴席にいてもはっきり聞きとれました。これまでの法廷では、証言台で前を向いてボソボソ話されるとマイクがないものですから、傍聴席からはよく聞きとれないということがありましたが、改善されたようです。
検察官の質問が終わり、裁判長が弁護人に対して補充質問がないかどうかを確認しました。弁護人が質問はないと答えると、裁判長が午後からは裁判所のほうから質問しますといって午前11時20分、早い休憩に入りました。(な)