福岡県弁護士会 裁判員制度blog
2010年2月25日
裁判員裁判・傍聴記(その1)
2月下旬、ある事件の法廷を傍聴しました。
午前9時50分開始ということで、15分前に法廷に入っていくと、既に検察官も弁護人も全員着席しています。修習生も6人着席していました。
傍聴席はガラガラです。記者席がたくさんとってありますが、誰もいません。というのも、向かいの法廷でも、別の裁判員裁判が進行中なのでした。
テレビカメラで前撮りをするというので、裁判官3人だけが9時40分に入ってきました。被告人も裁判員もまだ入ってはいません。2分間の撮影が終わると、裁判官はいったん奥にひっこみます。
午前9時45分、腰縄つき、手錠をかけられた被告人が拘置所職員と一緒に入ってきます。裁判官が入ってくる前に腰縄も手錠もはずしてもらい、弁護人すぐ前にある長椅子に拘置所職員にはさまれて座ります。
午前9時50分、裁判長を先頭にして、裁判官3人、裁判員6人が入ってきました。いえ、あと3人の補充職員も一緒です。
裁判員6人は男性3人、女性3人、30代から50代くらいでしょうか。男性3人は全員スーツ姿です。サラリーマンというかセールスマンの雰囲気です。もう一つ同時進行していた事件の法廷をのぞいてみると、こちらは男性3人は全員背広姿ではなく、ポロシャツにノーネクタイというラフな格好で耳にピアスも見えていてずい分と雰囲気が違います。補充員は3人とも女性です。
全員着席したところで、裁判長が「予定より早いけど、よろしいでしょうか?」と確認して、裁判が始まりました。このころには傍聴人も増え、一般が8人ほど、マスコミも20人近くいました。
まずは裁判長が「身元を確認します」と言って、被告人の住所・本籍そして生年月日を確認します。
検察官が起訴状を読みあげ、裁判長が「どこか間違いありますか?」と被告人に尋ねます。被告人は「ありません」とだけ答えました。弁護人も「本人の述べているとおりです」と言います。
これで、本件は自白事件であり、あとは量刑判断への問題だということが分かりました。 (な)