福岡県弁護士会 裁判員制度blog

2008年7月30日

累犯

『裁判員のための法廷用語ハンドブック』(三省堂)より紹介します。(な)

○ 累犯とは、懲役刑の刑期を終えて5年以内に、再び懲役刑が科せられる犯罪を行うこと。
 そのときには刑期の上限が2倍になる。

○ たとえば検察官は冒頭陳述のとき、「被告人には累犯にあたる前科があります」と言います。

○ 累犯になると必ず重く処罰される
  同じ犯罪を行った場合でも、それがまったくはじめての犯罪である場合と、これまでにも犯罪を行っている場合とでは、その刑の重さに違いが出てきて当然だ。
  前に犯罪を行ったことがある被告人が、新たな事件の裁判で有罪とされた場合には、前科があるということで、刑の量刑にあたって、刑を重くする方向で考慮することができる。
  刑法では、ある条件を満たす前科がある場合をとくに累犯とよび、かならず重く処罰することにしている。その条件とは、「前に犯罪を行って懲役刑に処せられた人が、その刑期を終えてから5年以内にまた罪を犯し、それについて有期懲役刑に処する」場合である。

○ 累犯加重
  累犯にあたる前科があるときには、その人に言い渡すべき刑期の上限を、法律で定めている刑の上限の2倍とすることになっている。これを累犯加重という。
  たとえば、「10年以下の懲役」と定められている罪の場合は、「20年以下の懲役」になる。
  累犯にあたる前科があるかどうかは、裁判官が説明する。

○ “再犯”と同じではない
  一般には、過去のどの時点で犯されたかどうかに関係なく、2度目、3度目の犯罪を“再犯”とよんでいる。これは、重く処罰する“累犯”より広い意味になる。

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