福岡県弁護士会 裁判員制度blog
2007年2月19日
法廷用語の日常語化(その3)
反抗を抑圧する
普通の市民は、この言葉を聞いたとき、反抗ではなく、むしろ犯行を思い浮かべると考えられる。反抗というと、若者の反抗、国家や親への反抗というイメージであり、一般的には、やってはいけないこととという印象を与えてしまう。
抑圧というのも、市民の抑圧というように、良くないことというイメージがある。
こんな言葉が2つ並ぶため、何を意味しているのか、大変わかりにくい。また、マイナスのイメージの言葉が続いているので、全体としては反抗を抑圧するのは良いこと、プラスであるかのような印象を与えかねない。
そこで、反抗を抑圧するとは、暴行や脅迫によって、肉体的あるいは精神的に、抵抗できない状態にすること、これには被害者が抵抗したけれども最終的には抵抗を封じられた場合も含む、と説明する。
なるほど、このように語感のプラスまたはマイナスのイメージを大切にしながら、どうやって独特の用語の意味を裁判員に分かってもらえるかを工夫するわけですね。(な)