福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2024年12月号 月報
九州レインボープライド2024
月報記事
LGBT委員会 委員 石井 謙一(59期)
1 はじめに
2024年11月4日、博多区冷泉公園で開催された九州レインボープライドに弁護士会のブースを出展し、パレードにも参加しました。
当日の様子をレポートします。
2 九州レインボープライドとは
これまで何度か月報で九州レインボープライドのことを書いてきましたのでご存じの方もおられるかもしれませんが、九州レインボープライドとは、性の多様性について社会にアピールするイベントです。
川端商店街近くの冷泉公園が会場となり、沢山のブースとステージが設置されます。
ステージでは性の多様性をテーマとするトークショーや歌や踊りなどのショーが行われます。
企業、自治体、当事者団体、支援者団体がブースを出し、それぞれ性の多様性に関する情報やアクティビティの提供、物販などを行っています。
ヒューマンライブラリーといって、当事者の来歴を聞いたり対話したりできるブースもあります。
飲食店ブースも多く並び、キッズスペースもあるため、子ども連れの方もとても多いです。
参加者は、ステージの音楽を楽しんだり、ブースでアクティビティに参加したり、旧交を温めたり、芝生やベンチで食事をしたり、思い思いに過ごすことができます。
イベントの期間中、冷泉公園は誰もが安心して自分らしく過ごせる空間になります。多くの方がこのイベントを心待ちにしています。
冷泉公園が狭く思えるほど、たくさんの来場者でにぎわいます。来場者は毎年増え続けており、今年は1万6000人の来場があったとのことです。
3 弁護士会がブース?
そのような中、当会は無料法律相談を行うブースを出しました。
基本的には楽しいお祭りなので、正直、場違いであることは否めません。
ということで、雰囲気を壊してしまわないようあまり積極的に声掛けはしないのですが、安孫子健輔委員デザインのレインボーの垂れ幕や立て看板がアイキャッチになり、今年は12組のご相談がありました。
前から気になっていたことを相談できてよかった!と言っていただくこともあり、場違いかもしれないけどブースを出してよかったなといつも思います。
また、ブースを出していると、弁護士会に興味を持っている方や、弁護士と何かつながりを持ちたいと思っている方が訪ねてきてくれることがあります。他団体の接点としてもとても重要です。実際、立ち話をする中から新たな連携が生まれたことも沢山あります。
4 活動歴が一目で分かる!
ブースに来た方から、弁護士会ってどういう取り組みをしてるんですか?と聞かれることも結構あります。
そこで、今年はこれまでの当会の活動をまとめたページを県弁のホームページに新たに作成し、そのページ(トップページの「LGBT」タブ→「福岡県弁護士会のLGBTQ+に関連する活動歴はこちら」ボタンで見ることができます。ぜひ、ご一読ください。)のQRコードも展示しました。
立て看板に貼り付けておくと、通りすがりにスマホをかざしてくれる方もいます。
弁護士会もアライであるということをアピールするためにも、今後もブースは出し続けたいと思います。
5 いざパレードへ
イベントのメインは、なんといってもパレードです。冷泉公園から天神に向かい、また冷泉公園に戻ってくるルートを歩きます。
今年のパレードには1200名が参加しました。
DJが音楽を流すトラックが先導し、レインボーの旗を振ったり、パネルを掲げたりしながら歩きます。
飽くまで、楽しみながら。
存在をアピールすることが目的です。
天神は連休だけあって観光客も含む多くの人でにぎわっています。その中を1200名でパレードするのですから、多くの人の目に留まります。社会に対するアピールとしてこれほど力強いものはないと思います。
通行人の中には、手を振り返してくれる人も沢山いました。とおりかかった車から窓を開けて手を振ってくれる方もいました。
6 執行部と歩くレインボーパレード
今年のパレードにはなんと、特別ゲストとして德永会長、德永会長の奥様、中原副会長、山田副会長も参加してくださいました。
会長自らパレードに参加していただくのは初めてのことです。
みんなが色とりどりの衣装で歩くパレードの中、德永会長と中原副会長の濃紺のスーツ(withネクタイ+弁護士バッジ)の目立つこと!
あふれる弁護士オーラに、警備に立っている警察官もびっくりして「弁護士も参加してるんやね」とささやき合っていました。
弁護士会としては過去最高の存在感を放つことができました。執行部の皆様、お忙しい中本当にありがとうございました。
7 皆様もぜひ
先日、全会員にLGBTQ+ガイドラインを配布しました。
ご一読いただけましたでしょうか。
皆様の中には、「そうは言っても当事者と実際に会ったこともないし、自分が相談や事件を受けることはないのではないか」と思う方もおられるかもしれません。
そういう方は、ぜひ毎年11月に開催される九州レインボープライドにお立ち寄りください。
性のあり方が多様であり、ありふれた個性の一つにすぎないことを実感していただけると思います。