福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2024年12月号 月報
来たれ!リーガル女子(10/20)
月報記事
両性の平等に関する委員会 委員 西田 舞季(76期)
秋風心地よい10月20日(日)に、当会主催、男女共同参画推進本部担当で、「来たれ!リーガル女子」(以下「リーガル女子」とします。)が開催されました。
リーガル女子とは、職業としての法律家の魅力を、主に中高生及びその保護者・教員に伝え、法律家志望者拡大につなげるイベントです(「女子」となっていますが、性別に関わらずどなたでも大歓迎です。)。拙筆ながら、今回の活動の様子及び感想を報告いたします。
1、リーガル女子開催に向けての準備
(1) 分担と協力
リーガル女子は3部構成になっています。講師、全体司会、各部責任者、会場設営、グッズの準備、茶話会の用意、司会、資料準備、広報等、ここでは書ききれないくらいその準備は多岐にわたりました。毎月1~2回の会議で、役割を分担し、進捗状況の確認をしました。役割については、先生方が立候補したり、適任者を分担して探したり、とてもスムーズに決まりました。一人一人が責任をもって行動する姿を学ばせてもらいました。
リーガル女子は福岡を会場とするイベントですが、鹿児島大学にもご協力いただき、福岡以外の学生にも参加してもらえるようにご協力いただきました。配信の準備や広報等についても快く協力してくださり、一丸となって学生にとって有意義な時間になるように準備することができました。
(2) 反省と感謝
私は、第1部の対談におけるインタビュアーの役と、第3部のグループセッションにおける講師の役を任せていただきました。
第1部は、元裁判官のご経歴を持つ野島香苗先生(37期)、ずっと弁護士としてご活躍なさっている原志津子先生(51期)、元検察官のご経歴を持つ川本日子先生(53期)に、それぞれの法律家の仕事内容や魅力を話していただく対談になります。
対談のテーマ、時間配分、構成、台本について決めるために、本番までに3回事前打ち合わせをしました。事前打ち合わせにおける私の反省点は、挙げるときりがありません(司会進行役としての役割、能力のすべてが足りませんでした!)。
講師をつとめてくださった野島先生、原先生、川本先生、第1部責任者の山崎あづさ先生(54期)に、「こんなのはどう?」や「こうしたらいいよ!」と温かくフォローやアドバイスをいただき、励ましの言葉も何度もかけていただき、何とか構成や台本を決めることができました。先生方に育てていただいたと感じています。この場をお借りしてお礼を申し上げたいです。本当にありがとうございました!
2、いよいよ当日!
(1) 準備と開会
会場設営やマイク・カメラ等の最終調整をして、美味しいお弁当を食べて開会の瞬間を待ちました。
受付開始後にぞくぞくと学生が会場に入ってきました。学生は保護者と一緒にお越しになったり、おひとりでお越しになったりしていましたが、皆さんどこか緊張している面持ちでした。少しでもリラックスしてもらえるように、事前に会場後方に写真撮影コーナーを設置していました。法務省のホウリス、日弁連のジャフバといったマスコットキャラクターと一緒に、愛知県弁護士会が貸してくださった戦前の弁護士の法服のレプリカ(朝ドラ「虎に翼」で主人公が着用していたデザインです)を着用して写真を撮ったりしてリラックスしてくれたと思います。
開会するとまた緊張した雰囲気になりましたが、德永響会長の親しみのお気持ちのこもったあいさつで空気が和み、いよいよプログラムが始まりました。
(2) 第1部
講師の先生方に裁判官、検察官、弁護士の仕事内容、キャリアアップ、ワークライフバランスを話していただきました。どのお話も、進行の役割そっちのけで「もっと詳しく教えてください!!」という言葉を何度も我慢する程楽しかったです。女性法律家が今より少ない中でご自身の信念と誇りをもって活躍してきたこと、現在はどの法律家も性別問わず充実したキャリアアップやワークライフバランスを形成できることが、学生にも伝わったと思います。私たち若手弁護士が今の法律家の仕事を楽しく行えているのは、先輩たちのおかげなのだろうと感じました。
(3) 第2部
法律家を目指すための進路説明のために、九州大学、西南学院大学、福岡大学の教員の方々も来てくださいました。大学における法律家を目指すためのコースの選択、法科大学院への進学(もしくは予備試験合格)、その後の司法試験受験といった制度やスケジュールを説明し、その中での支援体制をわかりやすく説明していただきました。
社会にインターネットが普及してから、あらゆる情報は昔より得やすくなってきています。しかし、情報が身近にあることが進路の選択肢を必ず増やすわけではありません。その中で、実際に教育に携わる大学の方々が具体的に制度や方法を説明することは、その進路を選択肢に入れ、自分が将来つくる人生の一歩を踏み出す良い機会になると感じました。
(4) 第3部
第3部は、4つのグループに分かれて、女性の裁判官や検察官、弁護士が学生の質問に対して答えるというグループセッションを行いました。裁判官や検察官の方々も講師として参加してくださり、それぞれの進路に興味のある学生の質問や悩みに答えてくださいました。学生は、進路として既に法律家に興味がある方、法学部に進むかについて悩んでいる方、法律家になった後にやっていけるか不安がある方等様々でした。講師の弁護士や裁判官、検察官の方々がとてもわかりやすく答えてくださいました。1時間という時間はあっという間に過ぎましたが、司会役の先生の華麗な進行によって、学生の質問全てに答えることができました。無限の将来の選択肢や可能性を持つ学生が、「法律家っていいな、法律家を目指したいな」と思ってくれたらいいなと思いました。
第3部で学生がグループセッションに参加している間、保護者の方々を対象とした質問コーナーを設け、保護者の方々が感じている不安や疑問に対して、第2部参加者の各大学の教員の方々や弁護士の先生方が答えてくださいました。学生の進路は、学生を大切に思う保護者の方々にとっても重要なものです。学生を応援する側の保護者の方々へのフォローもするのはとても良いことだと思いました。
(5) 閉会
閉会の挨拶をしてくださった深堀寿美先生(45期)のお話の中で、「学生が「やってみたい!」と言ったら、保護者の方々はぜひ「やってみて!」と背中を押してほしい」というお言葉がありました。深堀先生の言葉は、その進路を目指したい学生にも、心配に思う保護者にとっても、心強い支えになったと思います。
終了後お見送りしている中、保護者の方から「とっても感動しました!」と言っていただきました。がんばってよかったと心の底から思った瞬間でした。
(6) 茶話会(振り返りの会)
今回は、全体で42名の学生が参加してくれました。イベント終了後は、参加者と振り返りの会を実施し、感想を言い合いました。皆様「やりきった!」という笑顔で輝いていました。とても実りある時間を過ごせたと思います。全てが終わった後のお茶は最高に美味しかったです。
3、達成感と今後の抱負
参加してくださった方々一人一人が、それぞれの役割を果たし、助け合ってイベントを成功させることができました。私自身も講師の先生方のご経験や思いを聞き弁護士として人として大変勉強になりましたし、イベントの準備を通して組織として行動すること役割の果たし方を学ばせていただきました。とても貴重な経験になりました。
弁護士になって先輩方に助けられたりお世話になる機会がたくさんありましたが、皆「先輩から受けた恩や親切は後輩に引き継いでいくんだよ、バトンだよ」と言ってくださいます。このリーガル女子を通して、私が学ばせてもらったことを、今後法律家となる学生にもそれ以外の道に進む学生にも伝えられていたらいいなと思いました。また、今後もそうあろうと思いました。
お読みくださりありがとうございました。