福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)

2023年12月号 月報

国際委員会リレーエッセイ ウクライナ全国弁護士会から絵を贈られました

月報記事

会員 中村 亮介(63期)

当会会員有志で組織した「ウクライナ全国弁護士会支援会」は、2022年7月15日、会員から集めた2万ドルをウクライナ全国弁護士会(以下「UNBA」)に送金したことは、昨年の月報でも報告したので、覚えていただいている会員もいらっしゃることと思います。

当支援会は、UNBAのバレンティン副会長より寄付に対する感謝のメールをいただいていましたが、そのバレンティン副会長が、本年7月、日本を訪れ、当支援会と同じ活動をしていた東京グループの事務局長の所属法律事務所を訪問されました。私は、その訪問に、テレビ会議システムで参加し、バレンティン副会長から寄付に対する謝意を伝えられ、合わせて、御礼の印として絵が贈られました。絵はUNBA所属の弁護士のお子さんの描かれたものということでした。

この時バレンティン副会長からはウクライナでの戦争被害の実情を教えていただきました。被害の当事者から聞く生の言葉は余りにストレートすぎ、途中で聞きたくなくなるほど恐ろしく、悲惨でした。私はただ「教えてくれてありがとう」としか返事のしようがありませんでした。

絵は暫く東京で保管されていましたが、今年9月の私の東京出張のついでに受け取ってきました。

子どもが描いた絵のため何を伝えたいのか、どんなメッセージをもっているのか必ずしもよく分からないところもあります。美しい紅葉を描いているようにも見えますし、爆撃を受けて空が赤く燃えているようにも見えます。

ukraine tree(中村亮介先生の原稿に添付(記事中の絵))

絵の裏には、手書きのウクライナ語でメッセージが書かれていました。
Googleの翻訳アプリを使ってみると、はっきりとは分からないものの、ウクライナの兵士が疲弊していること、彼らが堅固で不屈であること、彼らが自分たちを守ってくれていること、ウクライナの勝利を信じていることなどが書かれているようです。このメッセージをみると、この戦争がウクライナの子供たちの心に確実に影響を与えていることがわかります。子供たちの心のなかで憎しみの連鎖が起こらないことを願うばかりです。

絵は引渡しを受けてすぐに弁護士会に寄贈させていただきました。弁護士会館のどこに飾られているのか分かりませんが(笑)、会館にお立ち寄りの際には、ぜひ足を止めてご覧いただけたら幸甚です。

ukraine letter(中村亮介先生の原稿に添付(記事中の絵の裏のメッセージ))
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