福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2023年12月号 月報
中小企業法律支援センターだより 「事業承継及び創業に関する協議会in広島」のご報告
月報記事
中小企業法律支援センター 委員 喜友名 朝之(72期)
1.はじめに
令和5年10月20日(金)、広島弁護士会のご協力をいただき、「事業承継及び創業に関する協議会in広島」を実施しました。
福岡においても中小企業の事業承継は喫緊の問題です。そこで、去る本年5月30日、当会は福岡県事業承継・引継ぎ支援センターとの間で、「事業承継等支援の連携等に関する協定書」を締結しました(みなさん、ご存じだったでしょうか?)。
では、具体的にどう連携していくべきでしょうか?一番参考になるのは、他会の先生方からお話しを伺うことです。広島弁護士会は以前より事業承継・引継ぎ支援センターとの連携を進めているとのことであり、有力な筋からの情報によると、「いま事業承継が熱いのは広島!」という話もあるようです。
そこで、いざ鎌倉ならぬいざ広島、ということで広島弁護士会の先生方との間での意見交換を行うべく、「事業承継及び創業に関する協議会in広島」を開催する運びに相成ったのです。
当日は広島弁護士会のほか、広島県事業承継・引継ぎ支援センター及び日本政策金融公庫広島支店にもご参加をいただき、各取組状況の報告ののち、質疑応答や意見交換を行いました。
2.各取組状況について
まず、広島県事業承継・引継ぎ支援センターにおいて統括責任者補佐の業務にあたっておられる広島弁護士会所属の前田有紀先生と、その前任者の桑原朋子先生から、センターの活動概要及び広島弁護士会との連携状況等についてご報告をいただきました。
ご報告のなかで、広島の事業承継・引継ぎ支援センターでは、その相談者紹介ルートとして金融機関からの紹介が多く、全国平均(26%)に比べ13%も多い39%が金融機関からのご紹介とのお話しを伺うことができました。金融機関での勤務経験もある私としては、福岡も広島のように、金融機関と弁護士会との連携をより深めていかなければとの思いを強くしたところです。
また、弁護士会との連携の観点では、広島では日弁連のM&Aパイロット事業が比較的多く活用されており、この点も福岡での参考になるのではないかと思いました。
広島の先生方によるご報告ののち、当センターからは福岡県事業承継・引継ぎ支援センターに関するご報告(安東翔太先生)、中小企業活性化協議会との連携に関するご報告(中川雅之先生)、そして牧委員長による当センターの創業支援に関するご報告をいただきました。
広島の先生方からは、当センターが福岡市と連携して行っている「スタートアップカフェ」に関するご質問や、若手会員の会務に関するご質問を中心に、多くのご質問をいただきました。
また、日本政策金融公庫広島支店(福山様)からも、公庫における創業支援につきご報告をいただき、昨年実施したものとして紹介いただいた「移住創業応援セミナー」が個人的に特に気になったところです(気になった方は検索していただくと日本政策金融公庫様のページがヒットするかと思います。)。
3.懇親会
協議会も終わり18時半からは、懇親会@中華料理を盛大に行いました。席上では、広島での弁護士業務のあれこれや会務の実情など、大変有益なお話を伺うことができました。
中華料理に舌鼓を打った我々は、一次会の大変な盛り上がりをそのままに、広島の先生方が足繫く通うという歌唱可能な飲食店へとなだれ込み、さらなる懇親を図りました(I先生による「贈る言葉」が胸に沁みたところです。)。
翌日は完全無欠の二日酔いとなりましたが、昨日は大変充実した協議会であったなあ、と充実した気持ちでいっぱいでした。
4.おわりに
冒頭でも述べたところですが、福岡においても中小企業の事業承継は喫緊の課題です。このような社会課題に対し専門家として適切なリーガルサービスを提供すベく、当センターは今年度、『事業承継法務のすべて』(第2版)を参考図書とした早朝勉強会を開催するなど、委員相互での切磋琢磨を図ってきました。
そして今後は、広島から持ち帰った事業承継支援へのぶち熱い気持ちを忘れずに、福岡での中小企業支援の一助となるべく、研鑽を積んでまいる所存です。
最後に、この協議会開催にあたり、広島の先生方との事前のやりとりや諸々の手配等をしていただいた中川雅之先生、阿部雄大先生、安藤匠汰先生、両角駿先生、本当にありがとうございました!