福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)

2022年12月号 月報

「来たれ、リーガル女子!in福岡2022」のご報告

月報記事

会員 田坂 幸(65期)

1 はじめに

2022年10月23日(日)、福岡県弁護士会館において、今年も「来たれ、リーガル女子!in福岡2022」が開催されました。2018年に始まったリーガル女子企画も今年で5回目、昨年に引き続き会場でのリアル参加とオンライン(zoom)参加のハイブリッド方式での開催で、今年も鹿児島大学司法政策教育推進センターとの共催となったことで、鹿児島からもオンライン参加がありました。

第1部・第2部は福岡会場参加者67名(中高生43名、保護者・教員24名)、オンライン参加者21名(中高生20名、大学生1名)、第3部はグループセッション参加者37名(会場30名、オンライン7名)、質問コーナー参加者12名(高校生2名、保護者・教員10名)と多数の方に参加いただきました。また、鹿児島会場でも11名(中高生4名、大学生6名、保護者・教員1名)の方に参加いただきました。福岡会場のフォトブースも大変好評で、法服を着てジャフバ人形や六法を手に写真撮影する中高生の長蛇の列ができていました。以下では当日の内容をご報告したいと思います。

福岡県弁護士会 「来たれ、リーガル女子!in福岡2022」のご報告
2 第1部 弁護士による対談

男女共同参画推進本部長代行の深堀寿美会員が、女性法曹をなぜ増やす必要があるのかをわかりやすく説明された開会挨拶に引き続きおこなわれた第1部は、女性弁護士の多様な活躍の場・働き方を紹介する当会会員3名による対談を実施しました。コーディネーターとして谷口悠子会員(62期)、パネリストとして家永由佳里会員(56期)と田坂(65期)が登壇し、個人案件を主に扱う弁護士、企業法務を主に扱う弁護士、企業内弁護士それぞれの立場から業務内容ややり甲斐を説明しました。また、3名とも子育て中であることから、パートナーの留学や転勤に帯同したり育児休暇を取得するなど一時的に仕事をセーブした経験談や、子どもの年齢や状況に応じて仕事量等を調整しながら働いていることなどもお話しました。

参加者は真剣な眼差しでたくさんメモをとりながら聞いてくれて、終了後のアンケートも大変好評でほっとしました。参加者の声を少しご紹介します。「お話してくださった三人の弁護士さんが、とても輝いて見えた。自分の力で誰かを守れるようになりたいと思った」「弁護士と言っても色んな働き方がある事も知れました。どの話も女性として弁護士になるための参考になりました」「インハウスローヤーという職業を初めて知り、大変興味を持ちました。将来家庭も大事にしたいし、仕事にも力を入れたいと思っているので、女性弁護士の仕事と出産や子育てとの両立についても大変有益な情報を伺うことができました」。弁護士の多様な働き方・生き方が参加者に少しでも伝わったのであれば嬉しく思います。

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3 第2部 法曹になるための進路説明

第2部では、宇加治恭子会員より、大学の法学部や法曹コース、法科大学院の制度、司法修習など、法曹になるための進路説明が行われました。また、山下昇教授(九州大学)、当会会員でもある平江徳子教授(福岡大学)、田中慎一准教授(西南学院大学)のお三方より、それぞれの法科大学院や法曹コース、法学部の特色などをわかりやすくご説明いただきました。参加者や保護者・教員は熱心に説明に聞き入っていて、アンケートでは「3つの大学の法曹コースについて実際にその大学の教授から一度に話を聞けたことは、それぞれの大学の特徴や長所を比較しやすくよかったです」「将来の具体的な過程が見え、勉強意欲がさらに湧いた」との声が聞かれました。

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4 第3部 グループセッション/質問コーナー

第3部では、少人数の6つのグループ(うち2グループはオンライン)に分かれ、弁護士・裁判官・検察官が中高生の質問に答えるグループセッションを実施しました。例年大変好評で、今年は締切を待たず定員に達した人気企画です。私も第1部に引き続き参加しましたが、法律の勉強法や依頼者とのコミュニケーションで気を付けていること等次々と質問が出る様子に、参加者の皆さんの関心の高さを改めて感じました。「ネットには載っていない生の声を聞くことができて、充実した時間だった」「直接お話を伺えて良かったです。自身のモチベーションも上がりましたし、より一層法曹の道への憧れが強まりました」「他に同じ法律関係を目指している人と今日みたいに話せて嬉しかったし、頑張ろうと思えました!」といったアンケートの回答からも、どのグループも満足度の高いセッションだったことがうかがわれます。

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また、グループセッションと同時並行で保護者・教員向けの質問コーナーも開催され、第2部の登壇者に加え、原田直子会員、柏熊志薫会員、原志津子副会長が参加者からの質問に回答しました。会場を見回っていた野田部会長もグループセッションに参加できなかった高校生2名と直接意見交換をされ、高校生は喜んで話に聞き入っていたそうです。「とてもオープンな雰囲気で行われたので質問しやすかったです。直に大学の先生にお尋ねすることもできたのが貴重でした」とこちらも好評でした。

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「法曹はいくつになっても成長できる仕事」という原副会長のお話と、野田部会長による力強い閉会挨拶を経て、本企画は大盛況のうちに終了しました。

6 おわりに

キラキラと目を輝かせながら一生懸命話を聞いてくれる中高生の皆さんと接し、登録10年目の私も法曹を目指していたころの気持ちを思い出し、明日への活力をもらえた1日でした。いつか「2022年のリーガル女子に参加した」と話してくれる新入会員と出会ったとき、「輝いている」と思ってもらえるように日々の業務に真摯に取り組みたいと思いました。

本企画は男女共同参画推進本部、両性の平等に関する委員会をはじめ、多くの先生方が多忙な業務の合間を縫って準備に奔走され、大成功に終わりました。当日は託児サービスも利用できますので(利用者最年少だった我が家の1歳児も、お兄さんお姉さんにたくさん遊んでもらってご機嫌に過ごせたようです)、来年6回目のリーガル女子が開催される際は、子育て中の会員のみなさまも安心して本企画の運営に携わっていただければと思います。

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