福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2020年7月号 月報
あさかぜ基金だより
月報記事
あさかぜ基金法律事務所 所員 西原 宗佑(71期)
早いものであさかぜに入所して1年半余りが経過しました。今年5月にはあさかぜの先輩である小林洋介弁護士(70期)が長崎県平戸市へ赴任します。私も先日、壱岐ひまわり基金法律事務所の所長に応募し、目下、その面接を受けるべく、準備をすすめている真っ最中です。
緊急事態宣言が出たあと、事務所からの外出もほぼなくなりました。そこで、あさかぜの日常の雰囲気とこれまでのあさかぜでの経験と感想をご紹介します。
あさかぜの日常
あさかぜは他の事務所と異なり、毎年司法過疎地域へ赴任する弁護士、新たにあさかぜに入所してくる弁護士がいて、常に人員の入れ替わりがありますから、1年ごとに事務所内での雰囲気がまったく違うことを実感します。
昨年は、私と田中秀憲弁護士(69期)と小林弁護士の3名と事務局2名という構成でしたので、比較的落ち着いた雰囲気で執務していました。また、それぞれの弁護士が担当している案件も異なっていたため、弁護士同士でコミュニケーションを取る機会も少ないものでした。
ところが、今年は72期の元気な新人弁護士が3人も入所したため、雰囲気が一変しました。現在は、小林弁護士があさかぜから抜け、弁護士5名と事務局2名で執務しています。そのため、打合室がすべて埋まるときもあり、私も72期の弁護士と共同で担当している案件も多いので、必然的に業務上でのコミュニケーションの機会が増え、事務所内がにぎやかになりました。それに加え、所員同士で外食したり(できる限り自粛はしています。)、所員全員で業務に関する勉強会をもったりして、所員同士の親交も深めています。
現場の意見としては、所員の人数は多い方が、事務所に活気があふれて、また、所員同士で議論も活発にできるので良いように思います。
私が退所し、73期の弁護士が入所した場合には、事務所の雰囲気がまたどのように変わるのか気になるところです。
あさかぜでの経験
私は壱岐ひまわり基金法律事務所の所長に応募しましたので、スムーズに進めば、今年11月末には、あさかぜを退所し、12月には壱岐で仕事をはじめることになります。
本当は、4月に壱岐ひまわり基金法律事務所へ見学に行き、現在その所長で、あさかぜのOBでもある古賀祥多弁護士(69期)に、相談や事件受任の様子と苦労話、経営状況などを教えてもらったりして、準備をすすめる予定でした。しかし、コロナ禍のために、その見学も延期となってしまいました。
これまでのあさかぜ生活を振り返ってみると、あさかぜに入所して以来、司法過疎地域各所で活躍しているあさかぜOBの事務所を多く訪問することができました。たとえば、壱岐や対馬をはじめ、豊前や人吉にも行くことができました。あさかぜに入所したからこそ、行くことのできた場所もあり、知らない地域を訪れることが好きな私からすると、非常に楽しく実りあるあさかぜ生活でした。
福岡県弁護士会の一会員として
私はこれまでに、刑事弁護等委員会、業務委員会、県弁護士会主任に主に参加し、当会の委員会活動に携わっておりました。また、昨年度は刑事弁護研究会の幹事も務めさせていただきました。さらに、あさかぜ関係の委員会にも毎回参加しました。これらの活動を通じて、当会の様々な弁護士と関わりを持つ機会も増え、ようやく委員会での仕事を与えられ、自分の立場ができたと思う矢先に当会を離れ、司法過疎地域へ赴任するということは少々名残惜しい気持ちがあります。
その反面、これからは全く知らない場所で、弁護士活動を行うということも冒険的で楽しみである気持ちもあります。
私が司法過疎地域へ赴任した後のキャリアプランについては現時点では全く未定ですが、いつかまた出身地でもある福岡に戻ってきて、弁護士業務、委員会活動に参加できる日が来たらいいなと思っております。