福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2020年4月号 月報
あさかぜ基金だより(2)
月報記事
あさかぜ基金法律事務所 石井 智裕(72期)
○ごあいさつ
令和2年1月にあさかぜ基金法律事務所に入所した石井智裕と申します。
福岡には、初めて参りましたが、街並みが整備されていて、住みやすい街であると感じております。このような場所で、弁護士の仕事を始められ、うれしく思っております。
○出身地
私は、千葉県いすみ市の出身です。『日本書紀』に、朝廷からの真珠を献上せよとの命令に背いたため、攻められたという記載のある所です。
いすみ市は、九十九里浜の南端にあります。海に面していますので、伊勢エビやタコなどの海産物がよく捕れます。それだけではなく、山の方では、梨の栽培が盛んに行われています。また、田んぼも多く、市内の田んぼで捕れたお米は「夷隅米」といい、千葉の三大銘柄に数えられています。
また、いすみ市は、東西に「いすみ鉄道」という黄色い列車が通っております。春に菜の花が一面に咲いた場所を走る姿がとても美しいです。
気候は、温暖で、千葉県の他の地域では雪が降っていても、いすみ市だけは雪が降らないということが多くあります。
○趣味
私の趣味は、漢詩と短歌です。
杜甫の詩に、自分の詩は曹植と大差ないと思っていたとあるとすごいなあと思ったり、李白の詩に、栄枯盛衰が激しいのに苦労して何を求めているの?とあれば、うるさいなあと思ったり、楽しみながら読んでおります。
漢詩の創作は、二四不同・二六対・弧平の禁止・下三連の禁止・押韻・冒韻の禁止などの様々な規則を守り、いろいろ悩みながら矛盾なく28文字で詠むのが楽しいです。
短歌は、齋藤茂吉先生・佐藤佐太郎先生の歌集をよく読んでいます。羽蟻が飛んでいない姿を詠むなど自分では気づかない視点で詠んでいたり、日常の場面を的確な表現でよんでいたりと感動する部分がたくさんあります。
短歌の創作は、漢詩のように規則が厳しくなく、およそ三十一文字であることと仮名遣いを正仮名遣い・現仮名遣いのいずれかで統一することというくらいしか規則がありません。ですので、いろいろな題材を詠めるのが楽しいです。
○あさかぜ基金法律事務所への入所経緯
私は、法科大学院に通つていた頃に、司法過疎地域で働いている方からお話を聴く機会がありました。このとき、弁護士の数が少ない地域では、弁護士に依頼することが困難な人たちがいることを知り、それは法律を適用する場面では、大変不平等ではないかと疑問を感じました。
また、以前に私の親族が訴訟をした際には、遠方の弁護士に依頼する必要があったという話を聴き、弁護士に依頼することが困難であることは、身近な問題でもあると感じました。
そこで、私は、司法過疎地域で弁護士をしたいと考えるようになり、司法研修所の教官に相談したところ、あさかぜ基金法律事務所が司法修習生を募集しているというメールをもらいました。
そのメールと添付されていた資料を読むと、「あさかぜ」の所員であった人が、「あさかぜ」においてどのように活動し、そのことが過疎地でどのように役立っているかについて詳しく書かれていました。ですから、私は「あさかぜ」に入りたいと思いましたので、「あさかぜ」に応募いたしました。
○抱負
これから、九州の司法過疎地域において、人々の期待にこたえて弁護士業務を行っていけるよう、一つ一つの仕事に真剣に取り組みたいと思っております。