福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)

2020年2月号 月報

「来たれ、リーガル女子!」 ~女性の弁護士・裁判官・検察官に会ってみよう!~

月報記事

会員 馬場 安紀子(71期)

1 はじめに

令和元年11月3日、福岡県弁護士会において、内閣府・男女共同参画推進連携会議・日弁連などが主催の、学生・保護者・教員向けシンポジウム「来たれ、リーガル女子!」~女性の弁護士・裁判官・検察官に会ってみよう!~が開催されましたのでご報告いたします。このシンポジウムは、内閣府の男女共同参画推進事業の一環として位置づけられ、主に女子中高生を対象に、将来の選択肢として、弁護士、裁判官、検察官といった法曹の魅力や普段の生活について知ってもらうイベントです。今回は東京、大阪、福岡に次いで名古屋を主会場とした4回目の開催になります。

2 当日の状況

当日は、中高生53人、保護者教員21人の参加がありました。開始時刻の随分前から会場に入場し、資料を見て待っている学生が多数おり、学生の意識の高さ、当イベントへの関心の高さがうかがわれました。

第1部では、主会場である名古屋大学アジア法交流館とZoom中継を受け、愛知県弁護士会会長をご経験された池田桂子弁護士より、「女性弁護士の歩みと魅力」について女性法曹の社会的意義や女性弁護士の仕事の魅力等についてご講演いただきました。

第2部では、同じく名古屋大学からZoom中継を受け、弁護士、裁判官、検察官それぞれ1名ずつをパネリストにもうけ、職業選択の動機や、やりがい等をパネルディスカッション形式でお話いただきました。いずれの方からも、法曹として幅広い業務(司法研修所教官、社外取締役、公職等)が経験できること、子育てと仕事の両立を取りやすい職業であること、裁判官と検察官は引っ越しのプロになれること等(笑)についてお話いただき、学生の方々にとっては初めて聞く内容で興味深かったのではないかと思います。

第3部のグループセッションでは、「刑事裁判」、「子どもの権利」、「民事(女性の権利)」、「国際関係」、「企業内・自治体」をテーマに、各グループを設け、学生と講師としての弁護士、裁判官、検察官がテーブルを囲んで質疑応答をするというグループセッションが行われました。

私は、「国際関係」のグループで書記係を務めさせていただきました。初めは学生の方も緊張していたようで質問がなかなか出ませんでしたが、講師や司会の方が話を振ると、「日本人として他の国の弁護士になることもありますか?」や、「現地の人との交渉はどうやって乗り越えるんですか?」等具体的な質問や、「弁護士としてどのような能力が必要ですか?」や「学歴は大事ですか?」といった質問まで積極的に質問してくれました。

法曹として国際関係の仕事に携わりたいと考えている学生の皆さんの意識の高さや熱意は非常に学ばされるところも多く、とても刺激になりました。また、講師をしてくださった先生方のご経験や姿勢をお伺いする機会はとても貴重で、私にとっても大変勉強になりました。

なお、中学生・高校生がグループセッションを行っている間は、保護者・教員向けに宇加治先生より進路説明会が行われ、福岡市の法科大学院の教授もご参加いただき、各法科大学院の特色の説明や、新たな法曹コースについての説明がありました。将来の選択肢として法曹を目指す場合、保護者や教員の理解も必要ですので、このような説明会もとても意義あるものだと思います。

3 その他

本イベントでは、イベントに参加する方やスタッフのお子さんについて託児サービスを設けたり、手話通訳を手配する等福岡県弁護士会としては初めての企画も実施しました。手話通訳は事前の申込がなかったため、準備にとどまりましたが、託児サービスについては、スタッフ及びイベント参加者の保護者からの依頼があり、計7名のお子さんの託児サービスが実施されました。保育士に預けられたお子さんは皆泣くこともなく、保育士の用意した遊びに興じるなどして、イベント終了時まで無事に託児がなされました。他の委員会のイベント時にもこのような託児サービスの実施もご検討いただければ、より皆が参加しやすいイベントになるのではないかと思います。

イベント終了後では、会館4階談話室及びテラス席を利用して懇親会が開かれました。キャンドルやフラワー付きのとてもお洒落なコーディネートケータリングで、お食事もおいしく、生ビールのサーバーもあり、和やかな雰囲気で当日の感想を交わすことができました。テラス席も利用した懇親会は初めてのこととのことで、清々しい空気を感じながら飲むお酒は格別でした。

4 最後に

グループセッションの講師としてお越し頂いたそれぞれ2名の裁判官、検察官、13名の弁護士の先生方には、学生の方々に貴重な生の声を届けていただきました。改めて感謝申し上げます。

また、当日は、帰省中の日弁連副会長の原田直子先生にも、イベント内でのご挨拶や学生の方との記念写真撮影に応じていただく等、多大なご協力をいただき、とても価値のあるイベントになったと思います。
今後もこのような機会に参加して、未来のある学生らに対して少しでも法曹に興味を持っていただけたらと思います。

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