福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2020年1月号 月報
九州レインボープライド
月報記事
LGBT委員会委員 会員 西 亜沙美(71期)
1 はじめに
令和元年11月4日、福岡市冷泉公園にて九州レインボープライド2019が開催されました。本稿では、九州レインボープライド2019の概要、イベントで行われたパレードの様子等についてご報告いたします。
2 九州レインボープライドについて
九州レインボープライドとは、LGBTをはじめとするセクシャル・マイノリティ(性的少数者)を筆頭に、世の中の差別や偏見から子どもたちを守り、子どもたちが前向きに、自分らしく生きていく事ができる社会の実現を目指して、開催されているイベントです。イベントでは、毎年多くの協賛企業や団体がブースを出展し、アーティストによるパフォーマンスやトークショー、イベント参加者によるパレードが行われます。5年目となる今年は、12000もの来場者を数え、1200人がパレードに参加しました。
3 企業や団体の取り組み
各出展ブースでは、各企業や団体の活動が紹介され、体験イベントを通して来場者との交流が行われていました。福岡県弁護士会もブースを出し、LGBTに関する無料法律相談会を実施しました。セクシャル・マイノリティの中には、自身の性について周りに打ち明けておらず、誰にも相談ができないという人もいます。そのため、LGBTに関する相談は、一般的な法律相談と比べて悩みを打ち明けるハードルが高く、相談者のプライバシーと性のあり方に配慮が必要です。イベント会場内のブースでの相談ということもあって、どれくらいの数の相談が実際あるのか予想がつきませんでしたが、本相談会では少なくない数の相談が寄せられました。レインボープライドに来場され、それが相談の契機になった人もいたのではないかと思います。本相談が、なかなか悩みを打ち明けられない人の一助になったのであれば幸いです。
4 パレードを歩いて
レインボープライドのイベントの一つとして、参加者によるパレードがあります。参加者は、より社会に知ってほしい、差別偏見なく誰もが生きやすい街になってほしいという思いで、約1時間かけて福岡の街をパレードしました。このパレードに福岡県弁護士会も参加しました。パレードに参加しながら沿道の人々を見ると、パレードに無関心の人もいましたが、中には手を振ってくれた人もいて、様々でした。
5 最後に
九州レインボープライドは毎年参加人数が増え、以前はパレードが通っても無関心だった人が多かったそうですが、今では沿道の人が手を振って応援の言葉をかけてくれます。福岡県弁護士会だけでなく、九州レインボープライドを通じた多くの企業や団体等の地道な取り組みが、差別や偏見をなくしLGBTを始めとするあらゆる少数派が多様性豊かに住みやすい街・福岡ひいては九州を作っていくのだと実感しました。