福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2019年9月号 月報
【北九州部会】「ジュニアロースクール北九州2019」のご報告
月報記事
会員 見越 あけみ(69期)
1 はじめに
法教育委員会は、令和元年8月21日(水)、福岡地裁小倉支部204号法廷において、「ジュニアロースクール北九州2019」を開催しました。
中高生19名、その引率者4名の合計23名のご参加により、無事に実施することが出来ましたので、その報告を致します。
2 内容
今回は、殺人事件を題材に模擬裁判(弁護士による寸劇)を行い、「被告人を有罪にすべきか、無罪にすべきか」を中高生に検討してもらうという内容でした。
題材は、本年3月に福岡県弁で実施したもの(ジュニアロースクール2019春in福岡)をたたき台に、多少アレンジを加えました。
事件の概要は、「製薬会社勤務の男性(被告人)が、愛人と結婚したいために、妻(製薬会社の研究員)に離婚話を持ちかけていたところ、ある日、妻が寝室で死体で発見された。妻の死因はトリカブトに含有するアコニチン系アルカイド中毒だった。製薬会社の研究室からは、トリカブトが持ち出されており、寝室に置かれていたコップ(トリカブトの粉が顕出されたもの)からは、被告人と妻の両方の指紋が顕出されている・・・。果たして、妻は自殺したのか?それとも、被告人が毒殺したのか?」というものです。
中高生を5班に分け、引率者班も設けて、班ごとに補充尋問事項を考え、証言や供述の信用性を検討し、有罪・無罪の結論を議論し、発表(判決言渡し)しました。
各班には、担当弁護士を割り当てて議論の補助を行い、証人の目撃証言は信用できるのか、視力は?明るさは?とか、被告人に殺人の動機はあるのか?など、活発に議論されていました。
結論は、全ての班が「無罪」判決を出し、被告人は喜んでいました。
3 感想
模擬裁判では、末廣清二先生が検察官役、竹内佑記先生が弁護人役、古野慧輔先生が裁判官役、中里彰宏先生が被告人役、仲地彩子先生と私が証人役を務めました。
竹内先生以外、普段とは異なる役回りで、皆新鮮な気分だったことと思います(笑)。
私も、証言台の前で宣誓書を読み上げ、尋問をされる経験はありませんので、役とはいえ、非常に貴重な経験になりました。
当然台本はあるのですが、末廣先生や竹内先生が、時折アドリブを入れて来られるので、証人役と被告人役は、終始気を抜けませんでした(笑)。
4 最後に
今回の開催に際して、委員の先生方には、通常業務でお忙しい中、多大なご尽力を頂きました。また、部会事務局の皆様方にも、様々お手伝い頂き、本当に感謝しています。
反省点や改善点は、今後検討していかねばと思いますが、まずは、皆様本当にお疲れ様でした。