福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2018年12月号 月報
中小企業法律支援センターだより「創業応援セミナー~創業時のお金のハナシ~」
月報記事
中小企業法律支援センター副委員長 牧 智浩(61期)
1 はじめに
本年10月24日、「創業応援セミナー~創業時のお金のハナシ~」を福岡市スタートアップカフェにて、九州北部税理士会、日本政策金融公庫、福岡県信用保証協会と共催しました。
4機関での創業応援セミナーは昨年に続き2回目の開催でした。講演、パネルディスカッション、交流会・相談会の3部構成で開催しましたが、関係者を除く参加者が42名(定員50名)と大盛況でした。また、セミナー当日には、日経新聞の記者による取材もあり、10月25日付の紙面に記事が掲載されました。
2 第1部(講演)について
最初に、日本政策金融公庫福岡ビジネスサポートプラザ所長の高橋秀彰氏と福岡県信用保証協会保証統括部創業・経営支援統括課主任の沖隆一郎氏に、「創業時の資金調達のポイント」というタイトルでご講演いただきました。
高橋所長からは、参加者に対し、金融機関に提出する創業計画書作成にあたっては、(1)簡潔に読みやすく書くこと、(2)具体的に書くこと、(3)自己の強みをアピールすることが重要であるとの助言がありました。
また、沖主任からは、自己資本については、単純に額面のみではなくその形成過程にも着目しているとのお話がありました。
やはり金融機関の担当者の話には非常に興味があるらしく、参加者はメモを取るなどしながら真剣に聞いていました。アンケートでも、講演内容について、38%の方が大変参考になった、54%の方が参考になったと回答しており、参加者から高い満足が得られました。
3 第2部(パネルディスカッション)について
次に、「専門家に聞く!これだけは知っておきたい創業のイロハ」というテーマでパネルディスカッションを行いました。高橋所長、沖主任に加え、九州北部税理士会所属の寺井博志税理士、当会の日隈将人会員がパネラーとして登壇しました。
寺井税理士、日隈会員から、金融機関のお2人に対し、「初年度赤字の創業計画書でも大丈夫なのか?」、「創業計画あるいは事業計画に士業が関与している場合、融資審査の際の信頼度が上がるのか?」、「法人と個人とで融資の受けやすさに違いがあるという噂は本当か?」といった質問がありました。
みなさん、これらの質問への回答はどうだったと思いますか?
気になる方は是非、来年度の創業応援セミナーにご参加ください!!開催未定ですが・・・(笑)
また、高橋氏や沖氏からは、弁護士や税理士に対して、創業時の支援活動の内容やアクセス方法などについて質問がありました。
日隈会員が、無用な法的トラブルを避けることの重要性とリスク回避における弁護士の有用性を訴えたうえで、ひまわりほっとダイヤルなどの相談ツールがあることを参加者に案内していました。参加者や金融機関を含む関係者各位に、弁護士による創業支援活動を知ってもらういい機会になったと思います。日隈会員、お疲れさまでした!!
このパネルディスカッションの目的は、第1部の講演内容の掘り下げと、弁護士や税理士の有用性を伝えることでした。アンケートでは、パネルディスカッションに対して、概要、「シナリオがよかった」、「それぞれの機関の考え方を知ることができた」、「詳細な話が聞けてよかった」との意見が寄せられており、目的は十分に達成できました。また、パネルディスカッションについては、54%の方が大変参考になった、38%の方が参考になったと回答しており、非常に高い満足を得られたようです。関係者一同、講演へのアンケート結果も含め、安堵しました。
4 第3部(交流会・相談会)について
セミナーを開催した会場では、そのまま、参加者と登壇者との交流会を行い、同刻、別会場で相談会を開催しました。
交流会場では、各登壇者のもとに参加者が集まり、個別に話を聞いて盛り上がっていました。
また、相談会では、5つの相談ブースを設け、合計10組の相談を受けました。この相談会の特色は何といっても、日本公庫、保証協会、税理士、弁護士が同席して相談を受ける真のワンストップサービスの実現にあります。
相談を受けた方に私が感想をお聞きしたところ、「4機関に一度に相談できるのはスゴイですね!!」とのご回答がありました。
5 最後に
本セミナーを開催するにあたっては、多くの方にご協力いただきました。
お忙しい中にもかかわらず閉会のご挨拶をいただきました池田耕一郎副会長、また広報の面でお力添えいただいた対外広報戦略PTの南川克博会員には、この場をお借りして、改めて御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
最後になりましたが、当センターでは、今後も、創業支援を含む中小企業支援を通じて、中小企業事業者の方たちに、弁護士をより身近に感じてもらえるように努力していきたいと思っております。会員のみなさまにおかれましては、今後とも、当センターの活動にご理解・ご協力賜りますようお願い申し上げます。