福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2018年1月号 月報
あさかぜ基金だより ~「パブリックロイヤーへの道」司法修習生説明会に参加して~
月報記事
弁護士法人あさかぜ基金法律事務所 服部 晴彦(68期)
あさかぜ基金法律事務所の所員弁護士の服部です。
昨年12月2日(土)、日弁連会館2階のクレオにおける「パブリックロイヤーへの道~法テラススタッフ弁護士・日弁連ひまわり基金弁護士・偏在対応弁護士 説明会~」に参加してきましたので、説明会の模様を報告します。
「パブリックロイヤーへの道」司法修習生説明会とは
この説明会は、公設事務所への進路を希望または興味のある司法修習生を対象に、公設事務所弁護士、すなわち、法テラススタッフ弁護士、司法過疎地に設置されたひまわり基金事務所の弁護士、日弁連の支援を受けて独立開業する司法過疎偏在対応弁護士について、その制度や弁護士活動の具体的なイメージを広く知らせるべく、紹介、説明しようというものです。
説明会は、修習生向けガイダンス、公設事務所勤務の弁護士によるパネルディスカッション、事務所ごとにブースを出しての個別説明というプログラムで行われ、私はパネルディスカッションから参加しました。
「パネルディスカッション」
パネルディスカッションでは、あさかぜ事務所のOBで、熊本県の法テラス高森事務所に赴任したあと、鹿児島県で独立開業した細谷文規弁護士のほか、法テラススタッフ弁護士2名(北海道、愛知県)、ひまわり基金弁護士(北海道)の4名をパネリストとして、「どんな活動をしているのか」、「公設事務所の弁護士としてやりがいを感じること」、「公設事務所で働くうえで辛いこと」、「養成時代にやって良かったこと、しておけばよかったこと」、「公設事務所の弁護士に求められること、人物像」といったテーマ、そして修習生から出された疑問点について、回答する形で進められました。
その中で、公設事務所弁護士としてのやりがいについて、「弁護士が少ない地域なので、社会的に注目され、必要とされている実感がある」、辛いこととしては、「寒さが厳しく雪が積もるなど自然環境が厳しい」、「買い物するところが少ない」、「管轄地域が広く移動が大変」、「相談を受けて弁護士として何と答えていいか困ったときに周りに相談できる人がいない」、公設事務所に求められることとして、「目先にこだわらずに数年後の依頼者や相手方のことを考えられる」、「人の話に耳を傾けられる」、「知らない土地でも、その土地の良いところを見つける」といった話が印象に残りました。
パネルディスカッションは修習生向けでしたが、弁護士過疎地域への赴任に向けて養成中の私にとっても、公設事務所で働いている先輩弁護士の話を聞くことができ、とても参考になりました。
「個別説明」
ブースでの個別説明では、私が所員弁護士として、事務所の業務内容や弁護士過疎地解消という設立目的、所員弁護士の養成といったあさかぜの特色について、ブースを訪れた修習生に説明しました。修習生は、熱心に説明を聞き、質問をしてくれました。説明を聞いていた修習生からは、公設事務所で働きたいという熱意を感じました。
修習生の熱意を感じて、私も弁護士となったときの初心を思い出し、日々の業務に邁進していきたいと改めて思いました。
司法修習生に向けて
あさかぜ基金法律事務所は、九弁連管内の弁護士過疎地域に赴任する弁護士養成を目的とした都市型公設事務所です。あさかぜは、司法修習生向けの事務所見学会を随時実施しています。弁護士過疎問題、公設事務所に興味のある修習生は、福岡県弁護士会天神センター、法テラス福岡が入った南天神ビルの2階に事務所がありますので、是非お立ち寄りください。首を長くして連絡を待っています。