福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2017年6月号 月報
あさかぜ基金だより
月報記事
弁護士法人あさかぜ基金法律事務所 社員弁護士 田中 秀憲(69期)
自己紹介
平成29年5月にあさかぜ基金法律事務所に入所しました、田中秀憲と申します。
私は大阪出身であり、司法修習も大阪で行いました。これまで大阪を出たことがなく、このたび弁護士として初めて福岡の地にやってきました。
ロースクール入学前は大阪で警察官として3年ほど、交番と機動隊に勤務しました。警察官として最も印象に残っているのは交番勤務です。私が勤務していた警察署は大阪府内では忙しい警察署で、日々、多くの市民が困りごとの相談のため交番を訪れていました。市民の相談には難しい問題もありましたが困りごとが解決に向かったときに見せる府民の安心した顔を見られることは警察官としてのやりがいにつながっていました。
しかし、同時に私は警察官として職務に従事するなかで社会において法律が占める重要性を実感しました。たとえば、拾得物の権利関係については、遺失物法や規則に詳しく規定されていますし、道交法違反があったときには刑事事件や行政事件が問題になることがあります。
私は警察官の職務を通じて法律の奥深さに思い至り、より専門的に勉強したいと考えるようになりました。そこでロースクール進学を決意したのです。
あさかぜに出会ったきっかけ
司法修習中に就職活動をしているときに、弁護士過疎地という地域があることを初めて知りました。私の出身地である大阪には多くの弁護士がいるため、日本に弁護士過疎という実態が存在することに、とても驚きました。どのような弁護士が弁護士過疎地で活動しているのかを調べていたところ、弁護士過疎地に赴任するための弁護士を養成しているあさかぜ基金法律事務所があることを知りました。
あさかぜに入所しようと決心
警察を利用する方の多くは、本当に困っていて、どうすればよいのか分からないと助けを求めてきていました。警察官時代には困っている人の役に立てることに、とてもやりがいを感じていました。
弁護士として活動するときにも困っている人のために役立つことでやりがいを感じたいと考えています。弁護士過疎地で法律的問題に直面している人たちは、困っているけれど、どうしたらいいか分からないという状況にあるように思います。司法試験に合格し、司法修習を終えた今、弁護士過疎地で生活する人たちのために役立てることをやりがいとして活動する弁護士になりたいと考えています。そのために弁護士過疎地に赴任する弁護士を養成しているあさかぜ基金法律事務所に入所したいと決心しました。
私の決意
このたび、縁あって福岡のあさかぜ基金法律事務所で弁護士として活動させてもらうことになりました。あさかぜ基金法律事務所は多くの人たちの支援により成り立っている事務所です。支援を受けながらも、これに甘えることなく、来たる弁護士過疎地への赴任に向けて日々努力を重ねる所存です。これからのご指導、ご鞭撻、何卒よろしくお願いします。