福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2016年5月号 月報
ITコラム 「あとで読む」
月報記事
1 はじめに
インターネットは今や情報収集の重要な手段です。特に若手弁護士にとっては、キーワードで検索をすれば、社会常識に属する基本的知識から諸先輩方の応用的知見まで、短時間に大量の情報に触れることができるインターネットは手放せないツールです。
他方、インターネット上にはとにかく大量の情報がありますので、効率的に情報収集しないと無駄に時間を費やしてしまうおそれもあります。
そこで、インターネットで収集した情報の効率的な管理方法について、検討とご紹介をしたいと思います。
2 収集した情報の管理方法
インターネット検索サイトでキーワードを入れて検索すると、何百万というWEBページがヒットします。必要な情報に出会えるまで検索ワードを変えて検索を繰り返し、ページを探索していきます。
さて、ようやく気になるページに出会えたとき、これをどのように管理すればよいでしょうか。
(1) 後で再検索する又は履歴から再表示する
これは簡単です。しかし、検索を繰り返すと、どの検索ワードでヒットしたか忘れてしまうこともありますし、履歴も大量にあると、「あのページはどこだろう?」ということになりがちです。無駄な時間と労力を費やす原因になります。
(2) 「お気に入り」に登録する
ブラウザのお気に入りボタンを押して「お気に入り」に登録すれば、簡単に再表示できます。しかし、情報の管理という観点からは、常用するWEBサイトのみ「お気に入り」に登録すべきです。ちょっと気になるページの一時保存には適しません。
(3) 「あとで読む」サービスを使う
そこで、「あとで読む」サービスがあります。これは、気になったページを(一時的に)キープし、後でまとめて読むことができるサービスです。
代表的なものは、"Pocket"、"Instapaper"、"Readability"等です(特に"Pocket"が使いやすくおすすめです)。詳細は省略しますが、(1)基本的に無料、(2)(設定をすれば)ネットサーフィン中にボタン1つでページを保存できる、(3)保存したページのリストはWEB上で手軽に確認できる、(4)パソコンとスマホでリストを共有できる、といった点が特徴です。
ポイントは、気になるページを見つけたら、あまり深く考えず、とりあえず「あとで読む」リストに入れてしまうことです。そうすれば、前に見たページをもう一度見たいというときに、リストからサッと見つけることができます。そして、もう必要ないと判断したページはリストから随時削除すれば、無駄な情報でいっぱいになることもありません。とりあえずキープし、その上で情報の取捨選択を行う要領です。
また、(4)も重要です。外出先の空き時間にスマホでたまたま見つけた有益なページを後でパソコンでも見たいというとき、この機能が役立ちます。逆に、パソコンで保存しておいたページを外出先でスマホでも見ることができますので、上手に使えばとても便利です。
(4) 長期的に保存する方法
「あとで読む」は一時的な保存を予定していますが、長期的に保存したいという場合もあります。保存の方法は色々ありますが、便利なのは、"Evernote"等でWEBクリップとして保存しておく方法です。"Evernote"は多機能で中々使いこなすのが難しいサービスですが、1つの使い方として、(1)"Pocket"に気になったページを手当たり次第保存し、(2)時々リストの見直し(選別・削除)を行い、(3)特に保存版だと思うページのみ厳選して"Evernote"に移し、別個に整理して保存する、という方法があります。これはとても便利です。
3 おわりに
効率的な情報管理の工夫は他にもあると思いますが、「あとで読む」をまだ活用されていらっしゃらなければぜひ活用をご検討下さい。
本コラムも「あとで読んで」頂ければ幸いです。