福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2014年3月号 月報
あさかぜ基金だより
月報記事
会 員 西 村 幸太郎(66期)
私の所属するあさかぜ基金法律事務所(以下では「当事務所」とさせて頂きます)は、法の支配を国民的に浸透させるという司法制度改革の趣旨に則り、弁護士過疎地にもあまねく法的サービスを行き届かせるため、弁護士過疎地での活躍を志す弁護士を養成する事務所です。2月1日に久留米で行われた「支部交流会」にお誘いを受けたのですが、当事務所のOB・OGも多数参加しており、弁護士過疎問題について当事務所の果たしている役割は大きいと感じました。
当事務所は、(1)(出張を含め)法律相談業務が多い、(2)そこから受任に至った事件(離婚や債務整理が多いように思います)が一定数ある、(3)事務所外の先生方からの紹介や共同受任という形で、様々な事件を経験させて頂いている、(4)純粋な業務の他に、月次会議、あさかぜ事務所会議、あさかぜ委員会などを通して、事務所運営のあり方についても考え、学ぶことができている、といった特徴のある事務所ではないかと感じております。もちろん、(5)既に過疎地に赴任された先輩方からの引き継ぎ事件もございますし、(6)私が弁護士登録してからの短い期間に、飛び込みで「相談したい」という連絡があり、受任にまで至るというケースも比較的多かったように思います。
以下では、上記(1)ないし(6)のいくつかについて、もう少し突っ込んでご紹介します。
(1)(6)法律相談について。記憶に新しい新人必修の集合研修では、「法律相談は全ての基本」と教えて頂きました。実際、短時間で的確に事案を把握し、次につなげるだけの法的アドバイスを適切に行うのは難しく、日々試行錯誤しております。過疎地赴任後は特に、どんな相談がこようとある程度の方向性を示すことのできる能力が絶対に必要ですので、赴任後も見据えて、1つ1つの相談に全力で向き合っていきたいと思っています。
(3)紹介・共同受任事件について。交通事故事件で、後遺障害認定の等級を争う異議申立ての事案がありますが、脳神経外科学の知見が必要で、現在、必死で勉強しております。大変ですが、弁護士がやらなければならないことの幅広さを実感させられました。
また、共有物分割事件について紹介を受け、私も関わらせて頂いております。現在積極的に活用することがすすめられている「早期事案説明期日」を経験できるなど、とても興味深い事件です。
この他にも、様々な先生のご協力のもとで、日々勉強させて頂いております。感謝の心を忘れず、事件については全力で取り組む所存でございます。
(4)あさかぜ事務所に関する各種会議について。当事務所の運営を考える会議では、「経営」のために気をつけなければならないことのレクチャーも受けながら、当事務所が存在する意義とは何かという根本まで遡って様々な議論を行っています。当事務所に関わる先生方が真剣に議論して下さっている様を見ていると、私も、事務所のあり方を真剣に考えるとともに、益々精進しなければと決意を新たにすることができます。
去る平成25年12月19日に弁護士登録し、瞬く間に時間が過ぎていっておりますが、今回、私なりに当事務所の特徴を、紹介させて頂きました。当事務所は、たくさんの人に支えられて成り立っております。今後とも、ご支援ご協力をお願いするとともに、月報の場ではございますが、この場を借りて感謝の意を示させて頂きます。