福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2008年11月号 月報
あさかぜだより~事務所開設式が行われました~
月報記事
あさかぜ基金法律事務所運営委員会
事務局長 柴 田 耕太郎(54期)
1 去る平成20年9月26日に、あさかぜ基金法律事務所(以下「あさかぜ事務所」と略します)におきまして、事務所開所式及び披露パーティーが開催されました。当日は、多くの会員にあさかぜ事務所の船出をお祝いして頂き、誠にありがとうございました。
開所式では、日弁連公設事務所・法律相談センター 大沢一實委員長、九州弁護士会連合会 德田靖之理事長、福岡県弁護士会 田邉宜克会長から、それぞれあさかぜ事務所開設の意義についてのお話や初代弁護士である井口夏貴会員へのはなむけの言葉を頂きました。
特に当会の田邉会長からは、あさかぜ事務所の被養成弁護士(=あさかぜ事務所で養成を受け、司法過疎地へ赴任する新任弁護士)に対する技術的支援(=金銭的な支援ではなく、弁護士業務を行う上での技術や事務所経営面の方法といった技術面での支援)を当会が全面的に担っているため、会を挙げて支援しなければならない旨の決意表明がなされました。
その後、先月の月報でも紹介のありました井口夏貴会員から、「しっかり勉強して過疎地へ赴任するんだ」という決意表明がなされるとともに、マスコミ各社からの質疑に応じました。
続いて行われた披露パーティーでは、日本司法支援センター福岡地方事務所 吉野正所長よりご祝辞及び乾杯のご挨拶を頂きました。乾杯用のシャンパンがなかなか皆様に行き届かずにご迷惑をおかけした場面もございましたが、パーティーには井口会員の他、今年12月にあさかぜ事務所に登録予定の細谷修習生と水田修習生も参加し、多くの会員の皆様に叱咤激励を受けておりました。なお、12月には細谷修習生、水田修習生とともに吉澤修習生も登録し、4名体制で執務を行う予定です。
2 あさかぜ事務所は、9月3日に執務を開始し、9月25日には事務所を法人化し、「弁護士法人 あさかぜ基金法律事務所」としてスタートを切りました。
あさかぜ事務所は、いわゆる「都市型公設事務所」の1つですが、「拠点事務所」であって、首都圏や関西圏などに存在する「事件過疎型」の公設事務所ではありません。
「事件過疎型」の公設事務所は、法律扶助事件や国選刑事事件等、費用が低額に留まるため、受任を忌避されがちな事件を積極的に受任することで都市部での普遍的な司法サービスの提供を目指すものです。他方で、「拠点事務所」は、司法過疎地へ赴任する弁護士を養成することに主眼があるため、法律扶助事件や国選事件だけを処理するのではなく、被養成弁護士に幅広い事件を経験させる必要があります。
そのため、「拠点事務所」である「あさかぜ基金法律事務所」が成功するか否かは、いかに多くの会員の皆様が、あさかぜ事務所の弁護士と関わり育てていけるかということにかかっております。被養成弁護士の指導担当弁護士の依頼があった際には積極的に応じて頂きますようよろしくお願いいたします。また、あさかぜ事務所の弁護士は会を挙げて養成していくものですので、指導担当弁護士以外の先生方も、被養成弁護士と共同受任できる事件がございましたら、ご一緒して頂きますようお願い致します。