福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)

2008年2月25日

憲法リレーエッセイ 第4回憲法24条・弁護士夫婦編

憲法リレーエッセイ

会員 東 敬子(52期)

【おお、24条はすばらしい!!】

最近は、9条がらみの講演依頼が多いので、他の条文をしっかりと読む機会がないのですが、よくよくみていると、ぐっとくる条文がたくさある。その中でも、あらためて、いいなあ〜と思うのが24条。「婚姻は、両性の合意にのみ基ずいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」・・・当たり前のことだけど、実際はどう??

【24条の理想と現実】

我が家は、私と弁護士をしている夫(吉原洋)と3歳の長男、1歳の長女の4人家族。もちろん、男女平等の意識は徹底しているので、「妻はこうあるべき!」みたいな固定観念は一切ない。子どもに対しても「長男は跡取りだから」っていうような意識もさらさらない。

がしかし、実際の生活においては、母親である私の方には負担はかかる。子どもが二人になろうと、夫の仕事のペースは相変わらずだあるし、酔っぱらって、電車乗り過ごしor終電乗り遅れは日常茶飯事。土日も、どんどん仕事を入れて、休日は月1回(実際、夫は保育所に提出する勤務状況欄に月の勤務日数30日と書いていた。なんじゃこりゃ。)当初は、夫のお気楽ぶりに、猛然と抗議していた私だったが、うちの夫は「頼られないようにする」才能に非常に長けており「ごめんなさい。反省しています。善処します。」を繰り返しながら、今日まで来ている。当然のことながら、夫婦二人だけでは生活が回らないので、周囲の応援団の力を借りて、なんとか毎日を送っている。

【どこかで聞いたような・・・】

この理想と現実の乖離、どこかで聞いた議論だ。
そうそう、憲法9条の話。実際に自衛隊は軍隊みたいだし、海外にも行ってるし、もう現実に合わせて変えた方がスッキリする・・・なんて、とんでもないことを言ってる人がいる。でも、そんな中途半端な「スッキリ」感で9条変えられたら、大変だ。そもそも、憲法は理想なんだから、理想に向かってどうすべきかが大事であって、現実に合わせようんなんて発想は本身転倒。まあ、理想を変えようと思ってる人たちとは、これからも議論を尽くさないといけないのでしょうけれど。

【理想を求めて頑張る私】

私は9条の理想現実にむけて、時には日曜日にも憲法の講演に行く。そのとき夫は「9条は大事よね。がんばってね。」という。そう9条においては我が家は理想と現実が一致しているのだ。

私は、24条に関しても諦めたわけではない。我が家においても24条の趣旨を実現するべく、今回は月報を通じて、広く応援団を募ることにした。この原稿を読んだ会員の皆さんは、夫が遅くまで仕事をしていたり、飲んでいたりしたら、きっと注意してくれるはずである。「早く家に帰ったほうがいいですよ」と。宜しくお願いいたします。

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