福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2006年7月号 月報
今秋も「合同事務所説明会」を開催します
月報記事
業務委員会委員 鶴 利絵
今年も、昨年に引き続き、第60期司法修習生を対象として、福岡県弁護士会主催の「合同事務所説明会」を開催いたします。
福岡県弁護士会主催の「合同事務所説明会」は、昨年始まったばかりで、あまり周知されていません。
そこで、今回は、担当させていただいております鶴が、この紙面をお借りして、「合同事務所説明会」のご説明をさせていただきます。
近年、司法修習生の増加に伴い、東京や大阪など大規模弁護士会だけでなく、各地で事務所説明会が開かれており、隣県の熊本でも4年前から事務所説明会が開催されています。
福岡県でも、昨年11月5日に、弁護士会主催の事務所説明会が開かれ、福岡県内の約20事務所が参加し、県内外の約100名ほどの司法修習生が集まりました。
福岡県の各弁護士事務所の採用状況を見ると、近年は、事務所ホームページ等で採用情報を掲載している事務所もありますが、修習先の事務所の紹介や、知り合いの弁護士の紹介などによる場合が多いのが現状です。
しかしながら、今後は、このような従来型の採用方法では、激増する司法修習生の就職活動に対応しきれない可能性があります。
その具体的理由として、まず(1)2007年には、従来の約2.5倍の約2500人から2600人が司法修習を終了します(従来の修習である60期(2007年8月登録)、及び、今年9月に合格する新60期(2007年11月登録))。その大多数が弁護士登録を希望することが予想されます。
この激増した司法修習生の就職活動に対して、中規模弁護士会である福岡県弁護士会において、従来の個別的交渉に任せておけば、司法修習生の就職活動に混乱を生じ、司法修習生が就職を希望しながら就職できないという事態や、また採用を希望しながら採用できない事務所が発生する等の支障が生ずる可能性があります。
また、(2)新司法試験に完全に移行されるまでは、旧司法試験合格の司法修習生と新司法試験合格の司法修習生との修習地が、東京などの大規模庁を除き、まったく分離されることがあります(例えば、本年度、福岡県では、旧司法試験合格の旧60期の修習生が修習することになっていますが、隣県の熊本県は、新司法試験合格の新60期の修習生のみが修習することになっています。)。
この新司法試験合格の新60期の就職活動に関しては、修習先の事務所の紹介などに期待することは困難であり、弁護士会としての配慮が必須と思われます。
このように、中規模弁護士会である福岡県弁護士会でも、各事務所の採用活動及び激増する司法修習生の就職活動がスムーズに行われるよう、合同事務所説明会を開催する次第です。
そこで、今後の予定ですが、合同事務所説明会の開催日時が決定し次第、各事務所にご連絡し、同時に、アンケートの実施や福岡県弁護士会のホームページへの掲載等で広報していく予定です。
対象とする司法修習生は、現在修習中である旧司法試験合格の旧60期、及び、今年9月に合格する新司法試験合格の新60期です。
「合同事務所説明会」の趣旨をご理解いただき、何卒、多くの事務所の参加をお願い申し上げます。