福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2005年11月号 月報
ホームページ委員会だより
月報記事
ホームページ委員会 田邊 俊
一 このコラムは、ホームページ委員会の委員によるリレー形式で連載されていますが、前回(二年前)に私が担当したときは、IT化が遅れていた私の事務所の進化(そんなに大げさなものではありませんが)について書くことで、何とかページを埋めることができ、一安心したものでした。
ところが、それから二年しか経っていないにも関わらず、再度の執筆依頼が舞い込んできたではありませんか!
この二年間に事務所のIT関係での変化と言えば、(1)サーバーの導入、(2)寿命が来たパソコンの買い換え(便利になったとは言え、五年間で古くなるというのは大問題だと思いますが、性能は日進月歩のため、処理速度が遅い等と、不満を覚えるようになるんですから、人間はワガママな生き物ですよね。)、(3)モバイル用のノートパソコンをA4サイズからB5サイズへと変更したことぐらいですので、取り立てて目立ったものではありません。
そこで、このコラムに何を書くべきか迷ったのですが、私にとって、最近はモバイル(何だか曖昧な用語ですが、携帯性に優れた情報端末の総称を意味するようです。)が不可欠なものになりつつあるため、モバイルの進化につき、少し書いてみたいと思います。
もっとも、私にとってのモバイルとは、電子手帳による期日管理のような格好いいものではなく、出張にノートパソコンを持ち歩いて書面を作成したり、メールをやり取りしたり、ネットを検索するという極めて初歩的なレベルですので、もっと進歩しているという先生は、是非とも、その詳細をご教示いただきたいと存じます(何せ、次回のコラムまでに、またネタを仕入れないといけませんので…)。
二 実は、このコラムの執筆依頼を受けたのが、締め切りの一週間前であったことから、私は、この原稿を、連休直前の羽田空港へ向かう機上にて、考えているところです。
そして、空港ラウンジでも、私のように、ノートパソコンを用いて仕事を片付けようとしている人間が二〇人以上もいたことから分かるように、移動中に仕事を片付け、それを移動中にメールを用いて送信できるモバイルは、極めて便利なものです(本当は、仕事に追われないようにしなければいけないんでしょうが、急な仕事も飛び込んで来ますよね)。
特に、海外旅行中でも、快適に事務所と連絡を取り合えるので、旅行から戻っても、浦島太郎状態にならなくて良く、つくづく便利な世の中になったものだと感心します。
三 もっとも、出張中や旅行中にモバイルを利用する場合には、モデムカードを用いても通信速度が遅い上に、海外では利用出来ないため、ブロードバンドを利用するのがベストなのですが、まだまだ利用できる場所は限られています(ブロードバンドが備え付けられていなかったロンドンのホテルで、自力でインターネットへの接続を試みたものの失敗し、ITの専門家と自称するホテルマンに接続を依頼したところ、見事にパソコンを壊されたこともありました!)。
日本でも、出張先でブロードバンドを利用できる機会が限られていると嘆いていたところ、何と来年からは、電気コンセントにジャックを差し込むだけでブロードバンドが可能になる電灯線ブロードバンド(BPL)が実用化されるようです。
このBPLは、現在の電話回線の代わりに、電灯線を利用してのブロードバンドを可能にする画期的な発明で、既に、スペインでは実用化されているものです。
しかも、BPLが発達すれば、身近に無数に存在する電気コンセントを利用するだけで高速インターネットが可能になるばかりか、モデムを内蔵したエアコンやビデオデッキが普及すれば、外出先からエアコンやビデオを遠隔操作できるようになるのですから、技術の進歩には、本当に驚かされるばかりです。