福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2005年10月号 月報
ホームページ委員会だより 〜初めてのブログ体験〜
月報記事
会員 後藤 富和
県の弁護士の有志でブログを立ち上げました。その内容を少しだけご紹介します。
〜 山笠(六月一七日)〜
山笠の醍醐味は何と言っても、巨大な山笠を舁き廻る舁き山ですが、その前の飾り山も美しくて好きです。その飾り山ですが、博多人形師さんが精魂込めて作り上げた人形を人形師さんの指示に従って私達が地上一〇メートルの山笠に登って飾り付けていきます。山笠に登ったままの私達にはどんな山笠ができているのか、全く分かりません。で、山笠から下りてみて、少し離れた位置から振り返ると、とてもきれいな山笠が出来上がっているという次第です。毎年この瞬間が大好きです。
〜 中国総領事(八月一三日)〜
中国総領事館で総領事と会ってきました。総領事は大変気さくな方で、私の話に真剣に耳を傾けてくださり、それに対して的確なアドバイスと感想をくれました。総領事と私の思うところは概ね一致していました。私の子や孫の世代には、もっともっと日本と中国の関係が良くなって、二度とかつての過ちを繰り返すことのないような平和な関係を築かなくてはならないということです。
仕事で中国に出張することが多いのですが、そのとき思うのは相互に誤解が誤解を生んでいて不信感が募る悪循環に陥っているということです。誤解を解くためにはまず事実をきちんと認識することでしょう。互いに事実をきちんと認めた上で付き合うと、一気に信頼関係が深まります。昨年、出会った中国の方に、今度食事をしようと手紙を出していたら、北京に行った際、私を高級な北京ダックのお店に招待してくれました。食いしん坊の私には最高のもてなしでした。
〜 憲法(九月三日)〜
市民センターで、憲法の講演を行いました。学習会では、そもそも憲法とは何? という質問をします。この質問に対しては、多くの方が「私たち(国民)が守らなきゃいけない義務」と答えます。この答えは大間違いです。憲法は、私たちが義務付けられるものではなく、私たちが国を義務付けるものなんです。正確に言うと「権力を制限して国民の権利を保障する高次の法」です。さらに、憲法の目的って何? という質問もします。よく九条が大事と叫ばれますが(それ自体は間違いじゃない)、憲法の目的は「個人の尊厳」を確保すること(一三条)です。その目的達成の手段の一つとして、戦争放棄(九条)があるということです。
今、九条の改正(特に二項の改正が重要)の裏で、密かに(?)一三条も改正されようとしています。「公共の福祉」の文言が「公益及び公の秩序」に変えられようとしていますが、もしこれが実現されれば、公益(国の利益)の名の下に人権の制約を受け、明治憲法下の法律の留保の下での人権保障と同じレベルになってしまうおそれがあります。
八月二〇日に九弁連で憲法のシンポを行いましたが、今、まさに憲法が旬です。憲法を知らないまま改正されることが一番危険なことだと思います。多くの人に、是非一度憲法を読んでいただきたいと思っています。
…というような感じです。興味をもたれた方、一度覗いてみてください。県弁HPにリンクがあります。