福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2005年5月号 月報
ホームページ委員会だより
月報記事
中野俊徳
第一 私がHP委員会の委員である意味
昨年度末頃にホームページ委員会の委員になりまして一年が経過しました。
私は今年三月三一日の時点で七つの委員会等の委員にしていただいておりますが、誠に申し訳ないことに、このホームページ委員会を含め、ほとんどの委員会等で幽霊委員と化してしまっています。
しかし、多くの委員会ではMLを持っており、MLに入っていることで少なくとも情報・意見交換は可能な状態です。
そういったことから、私のように福岡市から遠い地の事務所に属する者が弁護士会の活動に継続的に参加するためには、弁護士会の活動のIT化は必要不可欠なことなのだろうと実感していますし、そういった観点から、福岡市以外の地に事務所を持つ弁護士にとっての弁護士会のホームページのあり方を考えろというのが、私がホームページ委員会の委員である意味であるのでしょう。
第二 私の弁護士会HP利用の内容
そこで、幽霊委員ですのであたかも非委員かのような第三者的な書き方になってしまいますが、私が日頃の弁護士業務において弁護士会のホームページをどのように利用しているかを考えてみます。
改めて思い返してみると、私は、日頃の業務時間の中で、弁護士会のホームページを見ることが案外多いように思います。
他の先生方の電話番号、ファックス番号を知りたいときは会員情報のページで確認しますし、刑事弁護で量刑について検討したいときは量刑資料検索も見ています。
また、筑豊以外の裁判所での訴訟等を受任したときは、裁判官・検察官配置表で裁判官・検察官の名前や期を確認したりもしています。
掲示板で刑事弁護の事案について悩みというか愚痴を書いたこともありました(その事案がその後思わぬ展開となってしまいましたが・・・・・・)。
今や、情報収集や他者とのコミュニケーションの多くの場面でインターネットを利用することが当然の時代になっていますが、その中で弁護士会のホームページが弁護士業務に果たす役割は大きいのだろうと思いますし、もっと専門的な情報提供(たとえば、兵庫県弁護士会のホームページでの消費者問題判例検索ページのような)ができたらいいなと感じてもいます。
第三 市民にとっての弁護士会HP
また、弁護士会のホームページはいわば弁護士会の顔ですから、幽霊委員とは言いつつ、市民の方が弁護士会のホームページをどのように利用しているかも気になるところです。
今、弁護士に法律相談に行く前に、インターネットで多くの知識を得てきている相談者の方は珍しくありません。
しかし、その一方で、弁護士を探している市民の方が、弁護士事務所にたどり着く過程で、弁護士会のホームページ等、インターネットを利用しているという実感がまだまだ私にはありません。
私のところに相談に来る方は、地元の司法書士や税理士、行政書士からの紹介など口コミが多いですし、時には、私が東京での生活が長かったこともあり、当事者が共に東京在住という事件の受任依頼をいただくこともあります。
こういったことは多くの先生方が経験されていると思いますが、こういったことがある度に、市民にとっての弁護士への距離を感じてしまうのです。
個々の弁護士に関する情報は個々の弁護士のホームページで提供するべきだとも思いますが、まだまだ越えがたい壁になっている、市民と弁護士との間の壁を取り払ううえでの一定の役割を弁護士会のホームページが担っているものと認識しています。
その意味で当委員会がなすべきことはまだまだたくさんあるのだろうと思います(と幽霊委員が勝手なことを言っております)。