福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2002年10月号 月報
付添人マニュアル」発刊される!+NHK出版「非行少年と弁護士たちの挑戦」発刊へ
月報記事
池田耕一郎
1 「付添人マニュアル」発刊
子どもの権利委員会の研修・広報担当としてご報告いたします!!
ついに,福岡県弁護士会子どもの権利委員会が総力を結集して編集した「少年事件付添人マニュアル〜少年のパートナーとして」が日本評論社より発刊されました。
思えば,このマニュアルの企画ができたのが,県弁春山執行部時代の平成12年のことでした。以来,2年を超える歳月を経て,ついに完成へとこぎ着けたのです。
編集長・古賀克重委員におかれては,よくぞ重責を果たされたものと敬服いたします。
この「付添人マニュアル」は,時系列に沿って付添人活動をQ&A形式で説明するほか,「共犯事件」,「共同危険行為」,「シンナー」,「ぐ犯」など,事件類型ごとのマニュアル,すぐに使える書式集,少年法改正のポイントなどふんだんに織り込まれ,かなり欲張った内容になっています。これまでの付添人活動に関するマニュアルと比較し,実際の活動に直ちに役立つ,より実務的なものを目指しています。おそらく,今後しばらくは本書を超えるマニュアルは現れないでしょう。
福岡県弁護士会会員の皆様には,日頃,当番付添人制度へのご理解・ご協力を賜っていることに対する感謝の意を込めて,特別に無料配布させていただきました(定価は,税別2000円です。)。会員の皆様の付添人活動の一助にしていただければ幸いです。なお,本書は福岡県弁護士協同組合をはじめとする各弁護士協同組合において購入可能です。修習生,他の地域の弁護士にも購入をお勧めくださいますようお願いします。
これを読めば,付添人活動をやりたくてやりたくてたまらなくなること,間違いなし!
2 NHK出版「非行少年と弁護士たちの挑戦」発刊へ
さらに,本年11月には,一般市民向けに福岡県弁護士会子どもの権利委員会編著・「非行少年と弁護士たちの挑戦」と題する書籍が,NHK出版より発刊されます。
この刊行物は新書版サイズで,編集者の言葉を借りれば,「書斎で読むのではなく,お茶の間で気楽に読める本」を目指すことになります。コンセプトは,子を持つお父さん,お母さん,そして,子ども自身を読者対象として,少年事件・少年審判とは何か,「付添人」は,その過程においていかなる役割を果たすのかをわかりやすく伝えるというものです。制作にあたっては,当会会員から心に残る付添人活動の実例を広く募集すると共に,注目される付添人活動の事例については,委員会のほうから付添人をされた会員に執筆をお願いするなどして,珠玉の論稿を集めることができました。本書は,それら実例に基づくドキュメンタリー部分のほか,大谷辰雄委員長の(徹夜に近い)執筆による少年事件原因論,全件付添人制度の意義及び国選付添人制度実現に向けての取組みに関する論稿を総論部分として収め,2部構成となっています。本年11月の発刊を目標として,本書編集担当の森裕美子委員を中心に鋭意編集作業を進めています。
本書の出版によって,当会が進めてきた全件付添人制度がより広く市民に認知され,念願の「国選付添人制度」実現へと大きく近づくことを祈っています。
本書が,福岡のみならず,全国の書店の店頭に山積みされ,ベストセラーになることを楽しみにお待ちください。