福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)
2002年6月号 月報
骨髄移植コーディネイトに立ち会いませんか?
月報記事
佐藤 至
(以下は、月報平成10年3月号の記事です)
我が国において、非血縁者間の骨髄移植は、現在、既に約千四百例が骨髄バンクを通して実施されている。現在でも日に1件ずつの割合で全国各地の病院で実施されている。
骨髄移植に際して、ドナー(骨髄提供者)は全身麻酔で骨髄穿刺を受ける必要があり、このためわずかではあるが、事故あるいは数日の腰痛程度の後遺症が残る可能性がある。
またドナーの提供の自由は尊重されなければならないが、一定の時期以降に提供の意思を覆することは出来なくなる。このようなことをドナーに説明するためにコーディネイターがいるが、これらの人々から法律に詳しい人にも立ち会ってもらいたいという要望が高まった。そこで、コーディネイトに立ち会って頂ける弁護士を募集し、立会いの要領等について、2月6日午後2時からアクロス福岡において、講習を受けて頂いた訳だが、当初の予想を上回り、約20名の会員が出席された。特に北九州から数名の会員が参加されたことには、本当に感激した。
講習会は福島副会長の挨拶に始まり、月見会員の体験記で終了したが、途中、鋭い質問が相次ぎ、熱気ある講習会となった。
今後、弁護士保険に加入し、4月を目処に開始することになる予定で、いよいよ登録した会員諸兄に立ち会って頂くことになる。よろしくお願い致します。また多ければ多いほど日程調整が出来やすくなるので、未登録の会員のさらなる参加をお待ちしています。
この記事から約4年が経過しましたが、その後、次々とドナー登録及び移植がなされ、平成14年2月末現在でドナー登録約18万人、骨髄移植例約4000件を数えるまでに発展して来ました。その分、立ち会い弁護士の数も必要となって来ているのですが、残念なことにここ数年、福岡では殆ど立ち会い弁護士が増加していません。確かに立ち会っても支給されるのは実費程度であり、完全なボランティアですが、ときにはそのような活動も弁護士にとって必要なのではないでしょうか。また、この活動は、多くのボランティアにより支えられていますが、そのような方々と一緒に仕事をすることは、得難い体験です。さらに立ち会いを通して、ときには最新の医療現場の実情に触れられる場合もあります。
是非、多くの会員、特にこのようなシステムがあったことを知らない若手の会員にコーディネイトへの参加を申し込んで頂きたいと考えています。申\し込まれる会員が相当数おられるようでしたら、平成10年の発足のときと同じように講習会を開きたいと思います。数名程度でしたら、実際に行われる「コーディネイトへの立ち会い」に立ち会って頂き、要領を覚えて頂こうと考えています。
近日中に申込用紙を配布させて頂きますので、その際は、是非、多数お申\し込み頂きたくお願い致します。