弁護士会の読書
※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。
2025年4月10日
キーウで見た、ロシア・ウクライナ戦争
ロシア
(霧山昴)
著者 平野 高志 、 出版 星海社新書
著者は2008年から今もウクライナに暮らしている日本人です。
ウクライナへのロシアの侵略戦争は始まってから3年以上になるが、ウクライナの多くの地域では戦争下であっても市民生活は「フツー」に営まれている。大半の地域では、モノ不足は生じていない。日本からの郵便物も1カ月未満でキーウに届く。 日本のアニメや漫画などの日本文化も、ウクライナの一部の層では引き続き高い人気を誇っている。
電力不足なので、計画停電が実施されている。
ウクライナは世界でも有数の農業大国であり、国内流通分の食料品には不自由していない。
「壁2枚ルール」がある。シェルターに行かず、自宅の窓から壁2枚だけ離れた場所へ避難しようとするもの。
コンサートも開かれている。ウクライナ全土で夜12時から朝5時までの夜間外出禁止令が適用されているが、飲食店は夜10時までは開いている。
ウクライナ上空には、民間の飛行機は飛んでいない。ミサイルやドローンの攻撃の対象になるから。
ウクライナの18~60歳の男性は原則として出国禁止。
戦争の影響は、目に見える要素よりも、人の頭と心の中をむしばんでいる。国の未来への不安、子どもの安全への不安が強い。これから数カ月先、数年先の人生が全く見通せないという悩みを抱えている。
徴兵逃れを恥だと思わない人が回答したウクライナの市民の半数近くもいた。
ゼレンスキー大統領を個人崇拝するような現象はない。ウクライナでは、政治家はののしられたり、嫌われたりすることはあっても、あがめられる対象ではない。
ウクライナはIT大国。2022年夏に始まったウクライナ側の反転攻勢が期待はずれに終わったので、人々に会った完全勝利への期待が徐々にしぼんでいる。
被侵略国であるウクライナだけが戦争を止めたいと思っても、容易に止められるものではない。ロシアがウクライナに対して核兵器を使う可能性はあるが、決して大きくはない。
もしロシアが核兵器を使ったとしたら、結果としてロシアは戦争に勝利するチャンスも決定的に失うだろう。
ウクライナに住む人で、エスニック的にはロシア人であっても、自分のアイデンティティはウクライナ人だという人は実に多い。
ほとんどの人は、ロシア語もウクライナ語も必要に応じて使い分けられる。
ウクライナ軍人の死傷者数は国家機密扱いとなっているため、報道機関はニュースとして報道することが許されていない。
ロシアが侵略戦争を正当化するために流してきた嘘をファクトチェックして、戦争の実態を知ってほしい。私も本当にそう思います。
もう3年も戦争が続いているなんて、本当に信じられません。一刻も早く停戦し、殺し合いをやめてほしいです。それにしてもプーチンの嘘は許せません。
(2024年11月刊。1320円)
朝、雨戸を開けると、華やかな春がそこにあります。花、黄、色そして橙色のチューリップが満開で出迎えてくれるのです。庭のあちこちにスズランのような白い花をつけたスノードロップも咲いています。
庭に植えたジャガイモの芽が霜でやられましたが、もちろん大丈夫です。昨年植え替えたアスパラガスは残念ながら、まだ少しだけで、細いものしかありません。
ジャーマンアイリスが増えたのを庭のあちこちに植えたところ、みんな元気よく伸びています。5月から咲いてくれるでしょう。楽しみです。
今年は3月末から少し寒さが戻りましたので、桜の花の満開は1週間以上も続いて入学式に間に合ったようです。
庭のそばに昔の里道があり、散歩の人が通っていくのですが、団地住民の高齢化によって、本当に少なくなりました。子どもたちが通るのも珍しくなって寂しい限りです。
花粉症にはまだ泣いていますが、少しはましになりました。