弁護士会の読書
※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。
2024年12月16日
あした出会える昆虫
生物
(霧山昴)
著者 森上 信夫 、 出版 山と渓谷社
庭に来る昆虫が少なくなった気がします。なにより残念なのは、フジバカマの群生をつくって、アサギマダラ(蝶)を迎えようとしているのに、今年も来てくれなかったことです。それでも、いつかきっと来てくれるはず、来年こそはと思ってフジバカマをせっせと育て、増やしています。
ときどきクロアゲハやアゲハチョウがやってきてくれます。キアゲハやアオスジアゲハも見かけたことはありますが、ジャコウアゲハは見たことがありません。クロアゲハは地面で吸水するのは、すべてオスだそうです。不思議ですね。メスはどこで水を飲んでいるのでしょうか...。
アオスジアゲハはクスノキと花壇があれば、都市のなかでも育つそうです。同じく、ツマグロヒョウモンも花壇を利用して増えているそうです。
モンシロチョウは、日本の春の公式アンバサダーとされています。幼虫はキャベツの害虫です。昔、私も庭でキャベツを育てたことがあります。春になると、毎朝、割りバシをもってキャベツの葉、裏側まで青虫を探してつまみ出していましたが、ついにかないませんでした。毎朝とっても、必ず翌朝は青虫がいて、どんどんキャベツがかじられてしまうのです。いやあ、キャベツは農薬をふんだんに使うことがよく分かりました。
テントウムシは、わが家の庭にはなぜかあまり見かけません。日本には190種のテントウムシがいるそうです。肉食、草食、菌食など、いろんなものを食べています。ナミテントウは、アブラムシを食べます。驚いたのはその色彩の多様性です。赤地に黒い斑紋、黒地に赤い斑紋という基本ルールの中で、あらゆるパターンがあるのです。同一種だとは思えないほど色とりどりです。
子どものころ、オニヤンマやギンヤンマを捕まえるのは夢でしたね。ほとんど捕まらないのです。ギンヤンマは、腰のあたりに白い部分があり、そこがほんのり光って銀色に見える。
オニヤンマは日本最大のトンボで、体長10センチをこえるものがいる。育ち切るまでに3~4年かかる。トンボって、長生きするんですね。
わが家の庭には、モグラ、ヘビ、ダンゴムシそしてアリがいます。小さいアリが台所にまで侵入してきたことが何度もあります。
大きくて黒いクロオオアリも見かけます。それより少し小さくてグレーなのはクロヤマアリ。サムライアリは見かけません。
空を見上げると、とんでもないところにクモの巣がかかっています。5メートルほども離れた木を結んでクモが巣をつくっているのには驚かされます。コガネグモ、ジョロウグモがいます。でも、クモは昆虫ではないそうです。昆虫は6本脚。クモは8本脚。この違いは大きいようです。
今年の夏はあまりの暑さに、セミがあまり鳴きませんでした。我が家にいるのはアブラゼミがほとんどで、お盆過ぎたら、パッタリ鳴かなくなりました。ニイニイゼミ、そしてヒグラシやツクツクボウシにも鳴いてほしいのですが、クマゼミもふくめて来てくれません。
今年は、アメリカ・シカゴで11年ゼミと17年ゼミが同時発生して、街中セミだらけになったようですね。テレビの『ダーウィンが来た』で紹介していました。
写真がたくさんあって、楽しい小型の昆虫図鑑になっています。
(2024年8月刊。1760円+税)