弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2024年9月 1日

痛快生活練習帳

人間


(霧山昴)
著者 旺文社ムック 、 出版 旺文社

 団塊世代への提案本です。といっても私たち団塊世代は今や後期高齢者(75歳以上)になってしまいました。今さら何を提案するのかと思うと、実は、この本は今から25年も前に刊行されたものです。
なので、団塊世代は50歳代に突入したばかりで、まさしくバリバリの現役世代でした。だから旅に出ようという呼びかけに素直に応じられます。旅といっても千差万別。豪華なシティーホテルに一人で宿泊するというのもありますが、たいていは自然豊かなところへ足を運びます。東海道五十三次の旅を再現しようという人もいます。まだまだ歩けるのです。足腰が弱ってきたら、もう無理できません。
スズムシなどの「鳴く虫」を自宅の書斎の虫かごで飼って育てている人がいます。その虫の数は、なんと4万匹。たいしたものです。スズムシ、カンタン、マツムシ、クツワムシ、キリギリスなど13種類の鳴く虫を育てているというので圧倒されます。昆虫少年がそのまま大人になったのですね。
 福岡の大学教授が現職のまま漫才師としてプロデビューしたという人がいるのには驚かされます。久留米そして福岡にも、弁護士でありつつ、漫才師を目ざしている人がいます。
 団塊世代が好んで読む本には、ロマンと痛快がある。これには多読主義者の私にも異論はありません。「旅する巨人」という、宮本常一と渋沢敬三を主人公とする本、ヘンリー・D・ソローの「森の生活」は私も読んで、いい本だと思いました。
 そして、江戸時代の商人であり、哲学者でもある山片蟠桃(ばんとう)には心が惹かれます。
 スマホを持たない(持ちたくない)私は、海外旅行は断念して、国内旅行に専念しようと考えています。全国47都道府県の全部に行きましたが、まだ行っていない島はいくつもありますし、足を運んでいない遺蹟や歴史的名所も多いので、そこを少しずつ行ってみようと考えています。歩けるうちが人生の華(はな)ですから...。
 本箱の隅に眠っていた本を引っぱり出して読んでみました。
(1999年10月刊。952円+税)

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