弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2024年7月22日

宇宙と物質の起源

宇宙


(霧山昴)
著者 素粒子原子核研究所 、 出版 講談社 ブルーバックス新書

 もう、いつのことだったか忘れてしまいましたが、恐らく長野県の山中にあるホテルに泊まったときのことです。大きな天体望遠鏡がありましたので、夜の空を眺めることができました。天の河というのが、本当に無数の星々で構成されていることを実感しました。また、土星でしたか木星でしたか、その周囲を廻っている小さな衛星を見ることも出来ました。
 どうして夜は空が暗いのか、無数に星があるのなら、空は一面の星で覆われていて、暗いどころか、明るく輝いているのではないのか...。そんな疑問をタイトルにした本(『夜空の星はなぜ見える』田中一)を読んで、びっくり驚天しました。もうずいぶん前のことです。まさしく夜空にまつわるパラドックスです。
宇宙に始まりがあるのか、宇宙に果てはあるのか、今なお私のぜひ知りたいことです。宇宙にビックバンがあったとしたら、その前は何があったのか、無から有が生じたというのか、果てがあるとして、その外には何があるのか...、疑問は果てしがありません。
 宇宙の年齢は138億歳だということになっています。
 天の川銀河の大きさは10万光年。このなかに太陽を含む1兆個の恒星がいます。天の川銀河を含めて50個から100個集まった銀河団は1000万光年の大きさ。
 この銀河団を含んだ超銀河団は「ラニアケア超銀河団」と呼ばれ、その直径は5億2千万光年。宇宙原理というのは、地球も太陽系も、銀河、銀河団そして超銀河団も、すべてが特別な場所ではなく、宇宙にありふれている場所であるというもの。
 そうでしたら、私たちの地球と同じように生命体、それも会話する、通信する生命体がどこかにいても不思議ではありませんよね...。
 宇宙の地平線問題とは...。宇宙の年齢は138億歳。宇宙の端と反対側の端から138億年かけて飛んできた光の温度は絶対温度3度の電波がやってきている。ええっ、そ、そんなことがどうやって分かるのかしらん...。
 私は宇宙と星の話が大好きです。ちまちました人間同士の争いに関わって日々の生活を営んでいる身ではありますが、たまにはでっかいスケールの話をして、ちまちましたトラブルをいっとき忘れ去りたいのです。そんな思いにもってこいの、新書でした。もっとも、この新書に書かれていることの大半は理解できませんでしたが...。
(2024年3月刊。1200円+税)

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