弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2024年7月 7日

大インダス世界への旅

アジア


(霧山昴)
著者 船尾 修 、 出版 彩流社

 世界各地を自由気ままに旅行し、写真を撮ってまわっている著者の旅行体験記です。
 カン・リンポチェは、日本人はカイラス山と呼び、チベット人仏教徒にとっては、一生に一度は巡礼したいと願う、聖なる山。
 今では、チベット旅行は自由には出来なくなっている。寺院の周囲を時計まわりにぐるぐる歩いて巡礼することをコルラという。
 チベットの飲むバター茶。バター茶は、バターとタンチャという茶葉を固めたものに熱湯を加えて撹拌(かくはん)した飲みもので、お茶というよりはスープ。初めはそんなにうまいとは思えず、飲み干すのに苦労する。ところが、慣れてくると、こんなにうまい飲みものはないと思うようになる。チベット人は、これを1日に何十杯も飲む。チベットは内陸の高原なため、空気がすごく乾燥している。だから、肌がすぐにガサガサになる。それで、バター茶を飲むことによって、皮膚を保湿する効果がある。そして、栄養価も高い。
 チベット人は日本のことを「ニホン」と呼ぶ。「ジャパン」ではなく、「ニホン」と呼ぶのは、世界中、チベット人だけ。
 チベット人の数字の読み方は、日本によく似ている。チィ、ニィ、スン、シ、ンゴ、ルック、ドゥン、ゲェ、ク、ヂュウ。いやあ、たしかにこれはよく似ていそうです。
 五体投地の方法でカン・リンチュを一周するには3~4週間かかる。
 うひゃひゃ、ですよね。とてもそんな気の遠くなるようなことは出来ません。
アルプスでの登山ポーターは割りのいい仕事だ。10日間から14日間ほどの行程で、1万ルピー(万6000円)ほどの収入になる。物価は日本に比べて大変安い。
(2022年11月刊。2700円+税)

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